世界のなかの日清韓関係史-交隣と属国、自主と独立
世界のなかの日清韓関係史-交隣と属国、自主と独立 岡本隆司 講談社(2008/8/8)
目次----------------------------------------------------------------
プロローグ
ある宰相の死 金弘集の生涯 親清か親日か
第1章 宗属関係
1 朝鮮王朝の対外関係
中華と朝鮮 事大と交隣
2 倭乱
日本と世界史と東アジア史 朝鮮出兵 中国からみた朝鮮出兵
3 胡乱
北虜南倭 明代のジュシェン ヌルハチの興起 アイシン国の成長 丁卯胡乱
4 華夷変態
清韓関係の前提 清朝の成立と丙子胡乱 「兄弟」の関係とは何か 清韓宗属関係 明清交代
第2章 「属国自主」の形成
1 西力東漸
交隣関係のしくみ 宗属関係のしくみ 関係の安定 西洋出現の意味 清朝の変貌 日本の変貌 洋擾 宗属関係への波及
2 朝鮮の条約締結
書契問題から江華条約へ 日朝の認識 日清修好条規・台湾出兵と朝鮮 台湾出兵と江華条約 琉球処分の衝撃から条約の締結へ 『朝鮮策略』と「主持朝鮮外交議」 「属国自主」をめぐって
3 1882年
馬建忠の使節行 馬建忠の役割 壬午変乱 変乱の収拾と日清 善後措置と「属国自主」 「属国自主」と朝鮮の従属化
第3章 「属国自主」の展開
1 朝鮮の「自主」追求
欧米との条約 甲申政変への道 雑朝鮮の対外姿勢 政変前後の模索 デニーの赴任 『清韓論』 デニーの論理
2 清朝の「属国」追求
清朝と甲申政変 メレンドルフと露朝密約 袁世凱の登場 清朝側の論理と袁世凱の任務 諭祭の使節 『使韓紀略』の刊行 礼と法のあいだ
3 朝鮮保護の帰趨
朝鮮中立化構想 甲申政変と朝鮮の動向 中立化か、単独保護か、共同保護か 清朝のスタンス 勢力均衡と「属国自主」
第4章 独立自主
1 日清開戦
カーゾンの旅 中間領域のゆくえ 防穀令事件 事件の意味 東学と清朝の出兵 日本の出兵 戦争の勃発 「属国自主」と日清開戦 列強の干渉
2 甲午改革と俄館播遷
内政改革の実施 日本の方針 日本の後退と蹉跌 乙未事変とクーデタの応酬 日露の勢力バランス 俄館播遷の意味
3 大韓帝国
皇帝即位 条約の締結をもとめて 清朝側の態度 すすまない交渉 清韓の条約締結
4 1900年
「独立自主」のしくみ ロシアの満州占領 韓国中立化 日英同盟と日露戦争
エピローグ
文献解題
索引
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そんなことをしたら、朝鮮はもとより、日本・ロシアとの関係が決裂して、収拾のつかなくなるおそれがある。朝鮮に対する圧力を強めながらも、欧米流の属国支配ではなく、」あくまで旧来の宗属関係を前面に出し、「属国自主」にこだわったのは、そこに理由があった。
曲りなりにもそれで国際的に通用したのは、一種の勢力均衡状態という裏づけがあったからである。日清関係でいえば、天津条約による相互撤兵であり、露清関係でいえば、李・ラデュジェンスキー合意による相互不可侵であり、清韓関係でいえば、「属国」と「自主」の拮抗である。
この三者が組み合わさることで勢力の均衡がなりたち、その要に李鴻章のいわゆる自制が位置した。三者いずれにおいても、清朝のほうが多分に優勢でありながら、関係の悪化をきたさないよう、実力の行使をさしひかえる、というわぇである。結果として、朝鮮半島は軍事的に空白化し、中立化とほぼひとしい状態になった。
だが局外者の立場からすれば、「属国自主」は国際法で理解しがたいし、李・ラデュジェンスキー合意は秘密交渉だったから、一般には知られない。日清天津条約以降の不安定な情勢が改善されたとは、とても思えなかった。清韓のあいだで「属国」「自主」の争論が絶えず、それを理解できない外国人が、いずれにもくみしがたかった情況は、その反映である。
しかし逆にいうなら、そうしたどっちつかずの、いわば中間領域が存在したことが、朝鮮半島の事実上の中立を昨日させていた。局外からみて、「属国」へも「自主」へも一義的にならない不可解な情況は、不安定ながらも破綻にいたらない微妙な国際情勢を象徴するものだったのである。
あの夏で待ってる9話「せんぱい」 宇宙人であることがみんなにばれたことがきっかけで、主要人物みんながドミノ倒しに好きな気持ちを素直に告白する。