スピリチュアル市場の研究 ―データで読む急拡大マーケットの真実

スピリチュアル市場の研究―データで読む急拡大マーケットの真実 有元裕美子 東洋経済新報社(2011/4/22)
目次----------------------------------------------------------------
はじめに―夢と幻想を巻き込みながら拡大するスピリチュアル・マーケット

本書のあらまし
コンセプト・チェンジが生んだスピリチュアル・ブーム―ストイックできまじめな“精神世界”から優しく明るい“スピリチュアル”へ     「いつまでも落ち込んでいられない」効率的に癒す時代     スピリチュアル・ビジネスが提供する3つの価値―「変身、リセット」「安心感、リラックス」「“特別な自分”の発見」     マーケットの関心は自己啓発より開運     「寂しいから」「不幸だから」より「信じやすいから」利用    スピリチュアル・ビジネスのマーケットサイズに影響する要因    若者にスピリチュアルが浸透する理由―失敗の回避


1 スピリチュアルとは?

1.各分野で異なる「スピリチュアル」の用途
スピリチュアル・ヘルス(魂の健康)の提供を目指すバンダイナムコグループの高齢者施設
スピリチュアル・キーワード
ニューエイジ   ●オーラ   ●チャクラ   ●波動   ●気   ●風水   ●運   ●前世・過去世   ●ハイアーセルフ   ●癒し   ●ヒーリング   ●セラピー   ●CAM   ●ヨガ   ●ホメオパシー   ●オーラソーマ   ●ホリスティック   ●SQ   ●占い   ●パワースポット   ●イヤシロチ   ●結界、浄化   ●グランディング   ●超能力   ●疑似科学   ●オカルト

2.意外に身近なスピリチュアリティ
スピリチュアリティは身近だが、信じきってはいない日本人
スピリチュアリティ霊性)を信じることがスピリチュアル消費の前提

3.スピリチュアル・ビジネスの誕生
ニューエイジの登場
スピリチュアルとニューエイジ、精神世界
コラム:ニューエイジ的消費とヒッピー、ロハス
②癒し、LOHAS、そしてスピリチュアル・ブーム


2 急成長するスピリチュアル・ビジネス

1.スピリチュアル・ビジネスの定義と範囲
①スピリチュアル・ビジネスとは?
②スピリチュアル・ビジネスの種類とカテゴリー

2.スピリチュアル・ビジネスの市場規模
スピリチュアル・ビジネスは数少ない成長産業
スピリチュアル・マーケットは1兆円規模?
コラム 数字の秘密とパワー

3.スピリチュアル・ビジネスの実際
1 スピリチュアル・コンテンツ型ビジネス
①ヒーリング、占い、風水等
一握りのカリスマが牽引する市場
職業としてのヒーラー、占い師の人気上昇
海外スクールにとって日本は魅力的な市場
組織化するスピリチュアル関連ビジネス
「スピリチュアル」は有力コンテンツ
コラム ヒーラー選びは透視能力より人間性
コラム 遠隔ヒーリングの前提「エネルギーは時空を超える」

②ヒーリンググッズ等販売
コラム ヒーリング・グッズとは?

2 スピリチュアル・コラボレーション型ビジネス
③パワースポット・ツアー
“癒される”沖縄、屋久島、ハワイ
キーワードは「先住民」「大地」「宇宙」
スピリチュアルでまちおこし
アニメ由来のスピリチュアル観光
コラム 「行ってはいけない!?」夜のパワースポット

④ホリスティック(全人的な)医療
大学の正規カリキュラムに組み込まれたヒーリング講座
ヒーリングで緩和ケア
ヒーリングの緩和ケア、メンタルヘルス需要
コラム CAM(相補・代替医療エビデンス(科学的根拠))

⑤スピリチュアルで価値向上
風水住宅
開運する菓子「ありがとうボーロ」
開運米
スピリチュアル・コスメ
コラム 風水と住宅

⑥販促・集客ツールとしてのスピリチュアル
星占いでラッキーアイテムをコーディネートする千趣会
占いで商店街活性化「売れても占い商店街」
「雪だるまカール」「眉毛コアラ」―おみくじで楽しさアップ
コラム 占い(未来の予測)ビジネスの的中率

4.米国スピリチュアル・マーケット
①米国におけるスピリチュアル・ビジネス利用の背景
見えないものを信じる米国人
米国に根付くスピリチュアリティ
米国政府によるCAM(相補・代替医療)としてのスピリチュアル研究

②米国における健康増進目的でのスピリチュアル
ベトナム戦争帰還兵、アルコール依存症等におけるセラピー需要
セルフメディケーションとしてのスピリチュアル
有力医療機関で実践されるヒーリング
米国でレイキ(REIKI)を導入している医療機関の例
ハーバード大学   ●コロンビア大学メディカルセンター   ●エールニューヘブン病院   ●ニューヨーク大学メディカルセンター   ●ブリガムアンドウィメンズ病院   ●ジョンズホプキンス病院   ●マサチューセッツ総合病院   ●モルガンスタンレー小児病院
③米国スピリチュアル・ビジネス
“ZEN(禅)”“YOGA(ヨガ)”“Feng Shui(風水)”
風水=経営戦略
世界の聖地セドナ
日本とは異なるスピリチュアル・マーケット
コラム 風水VSエコ(捨てる文化とリサイクル意識)


3 データに見るスピリチュアル・コンシューマー

1.調査からみえてきた“スピリチュアル・コンシューマー”
①6割以上が癒し・スピリチュアル・ビジネスの利用経験あり

②「携帯サイト、ゲーム機器などで占いゲーム」は3割弱が利用

③スピリチュアル消費の中心は、20〜40代女性

④ヒーリングで「リラックス、ストレス解消」、携帯占いで「暇つぶし」
「なんとなく利用」も
コラム スピリチュアル・コンシューマーの不都合
〈スピリチュアル的考え方の例〉①一貫性に欠ける  ②将来に向けて備えない  ③人生で起こることはすべてが導き、学び

⑤スピリチュアルは“恋愛消費”、“抗疲労消費”
若年女性の恋愛相談、心身の癒し
就職、財テクから経営判断まで多様な受け皿に
コラム 恋愛の悩みは女神に解決してもらう―複数購入につながるご利益の担当制

⑥「孤独、薄幸」ではなく「信じやすい、自信がない」から利用
スピリチュアル・ビジネスのターゲットは“純粋な人”
信じやすいからスピリチュアルを利用する
「人の目が気になる」という自分探し
「信じる者は救われる」幸せなスピリチュアル・コンシューマー
とにかく癒されたい
コラム スピリチュアル通は疲れやすい!?

⑦効果を実感するヨガ、パワースポット・ツアー
半数以上が効果を実感するヨガ、パワースポット・ツアー、ヒーリング教室
効果を感じづらい占いゲーム、WEB占い

⑧不満は「効果がわかりにくい」に集中
コラム スピリチュアル・ビジネスで運勢も人生も変える?

⑨今後の成長株は「ヨガ」?

⑩新規顧客獲得に必要な信頼性向上

⑪スピリチュアル消費は二極化「ライトユーザーとスピリチュアル・オタク」
市場をけん引する“スピリチュアル・オタク”
見えてきたスピリチュアル・マーケットの消費パターン
(1)御利益期待層  (2)暇つぶし・気ばらし層  (3)恋愛相談層  (4)疲労・不調回復層  (5)精神性重視層
スピリチュアル消費のステップ「星占い→開運グッズ→鑑定→占い教室」
占い好きの女性、オカルト好きの男性
若年層に強い「占い」、高齢者に強い「宗教」

⑫コア・ターゲット「スピリチュアル・オタク」の発見
素直で従順な「スピリチュアル・オタク」
ターゲットのセメグントで効率的なPRを

2.スピリチュアル消費の背景と特徴
スピリチュアル消費の背景
スピリチュアル・ビジネスに期待される3つの価値―スピリチュアル・ビジネスが支持される本当の理由
その1 変身、人生リセット   その2 深い安心感とリラックス   その3 非日常で発見す“特別な自分”
コラム 開運のコツは「ゴキゲンOS(認識の仕方等)」への転換


4 スピリチュアル・ビジネスのゆくえ

1.国策として推進される統合医療
動き出す統合医療推進
混迷するホメオパシー
自国の伝統医療を知財として活かすタイ

2.変わる神社仏閣のビジネスモデル
「坊主バー」「高野山カフェ」「ご神木インテリア」宗教発の新ビジネス

3.薄まって拡大するスピリチュアル産業
①霊的成長よりストレス解消
エンターテイメント訴求―進展するITによる癒し・ヒーリング
健康訴求―ストレス解消、疲労回復ニーズを取り込んで成長するリラクゼーション・ツール

②“隠れスピリチュアル”商品―見えない波動をこっそり加えて健康効果を引き出す
“気”や“波動”を加えた商品
“隠れスピリチュアル”商品の売り方
コラム 宇宙に導かれ!? 毎年売上増を達成する経営

③“スピリチュアルみたいなもの”の増殖
精神性を重視するライフスタイルの広がり
“みんなボランティア”の浸透
「絆(きずな)」「ワンネス」―スピリチュアル的要素の拡大
コラム 「ダイエットは新月に」広がる月(ツキ)ビジネス


おわりに―スピリチュアル・ビジネスの浸透がもたらす社会的インパク


参考文献

                                                                                                                              • -

 このように高額な医療費負担を敬遠した結果、セルフメディケーション(自身による予防)のためのツールとして、費用が比較的安価で済むCAM(相補・代替医療)が用いられる場合もあった。米国に流入してきた移民が、出身国の伝統医療を持ち込んだことで、多様な療法が存在していた背景もある。
 ただし、CAM(相補・代替医療)は、低所得者ではなく、むしろ、所得や教育水準の高い人のほうが利用が多い傾向がある。

ひだまりスケッチ×365オープニングテーマ『?でわっしょい
「はてはてはて はーてなー のびのびのび のんびりと なにをしよう とりあえず わっしょいでーす トンチンカンな答えだって木星人の常識で あやふやロケット飛ばした、こころは接近 幸せなうたた寝の後は やっぱやっぱ あくびで涙がにじむ・・・おはよう あそぼう本気でパン食い競争 わっしょい!わしょしょい!♪」