市場と向き合う地方債-自由化と財政秩序維持のバランス-

市場と向き合う地方債-自由化と財政秩序維持のバランス- 小西砂千夫(編集) 有斐閣 (2011/3/26)

目次-------------------------------------------------------------------------------
序章 市場と向き合うことの意味


第1章 地方債に関する疑問に答える
はじめに
1.注目を集める地方財政そして地方債、激変する環境
2.地方債をめぐる構図:4つのメカニズム
3.地方債をめぐる5つの疑問
(1)地方債は安全であるというのはどのような意味なのか、本当にデフォルトはないのか
(2)金融市場は金融商品としての地方債をどのようにみているか
(3)現行の起債制限や財政健全化制度に穴はないのか、きちんと機能するのか
(4)地方債制度は国の関与があまりにも強すぎる仕組みではないのか
(5)地方財政制度のあり方として地方債をむしろデフォルトさせるべきではないのか
4.地方債の「自由化」に関する本書の見方
資料:地方債の法的枠組み


第2章 地方債市場の論理とパフォーマンス
1.地方債における金融面での変化:バーゼルⅡとALMの観点
2.公募団体の増加と共同発行方式、引受方式の多様化
3.地方債市場のパフォーマンス
4.格付機関の見方
5.地方債市場のおける市場の目
6.地方債市場参加者の見方
7.地方債引受環境の整備
8.自治体に欠如している金融的知識
9.曲がり角に来た指定金融機関制度
資料 地方債の総合的な管理について


第3章 償還財源を確保する仕組み―地方債の財政的側面
1.暗黙の(政府)保証ではなく、安全性を守る仕組み
2.地方債の元利償還に要する財源の確保(マクロの財源保障)とは何か
3.地方財政計画と地方債計画の関係
4.元利償還金を基準財政需要額に算入することを通じた財源手当て
5.地方財政制度における地方債の償還財源
補論 一般会計と特別会計・公営企業会計、普通会計と公営事業会計
資料1 地方債同意等基準
資料2 地方債充足率


第4章 起債制限と自治体財政健全化法―個別団体における安全性を担保する仕組み
1.マクロは環境整備、償還確実性はミクロの制度で対応
2.起債制限の考え方
地方債における建設公債主義     地方財政法第5条の「建設公債主義」に関する条文     地方債発行における国の関与     協議制度の概要と意義     枠外債の償還財源の考え方     借りすぎ団体が必ず財政逼迫となるわけではない     建設公債主義は維持されているのか

3.自治体財政健全化法による安全性の確保
自治体財政健全化法の枠組み     財政指標である健全化判断比率     2008(平成20)年度決算に基づく算定結果     自治体財政健全化法の施行に伴う技術的課題     自治体財政健全化法でどこまでミクロの安全性は保てるのか


第5章 財政逼迫した自治体のパフォーマンスと地方債の安全性
1.財政運営の暴走を防ぐ仕組みとしての建設公債主義
財政健全化と地方債の安全性のフレーム     建設公債主義のもとでの予算統制が持つ意味     自治体の財政難は基本的に資金不足の形をとる     自治体の財政再建は究極には人件費等の圧縮の形になる     建設公債主義の妥当性と出納整理期間が持つ意味

2.財政状況が悪化したときの自治体の財政運営
財政状況が悪化する理由     外郭団体がもたらす住民負担     当面の財政収支を改善する方法     公債費を圧縮する方法     人件費を圧縮する方法     資金収支を一時的に改善する方法     歳出削減の難しさ     財政悪化は財政指標にどのように現れるのか     自治体の財政収支予測を読み解くときの注意:予算ベースと決算ベース

3.レア・ケースとしての夕張市の財政運営
4.やむをえない借りすぎもないわけではない
5.財政状況とデフォルト・リスクは直結しない
6.名古屋市の減税と起債制限


第6章 自治体の財政診断の実際
はじめに
1.現金主義会計でも発生主義会計でも健全である
2.財政分析の観点①:1年間の資金収支
3.財政分析の観点②:1年間の償還財源―留保財源と基準財政需要額に算入されない公債費の関係
4.財政分析の観点③:中長期の資金収支
5.経常収支比率等の既存の財政指標の価格形成への影響


第7章 地方債改革を求める論理とその妥当性
はじめに
1.許可制度から協議制度への移行
協議制度への移行とその趣旨     協議制度は分権改革と財政秩序維持のバランス

2.公募債の統一条件交渉の廃止とその影響
統一条件交渉から個別条件交渉に     発行条件決定の仕組みの推移

3.地方分権21世紀ビジョン懇談会における「自由化」の持つ意味
4.地方債が財政運営の規律づけを行うという論理
5.事業費補正方式等は見直すべきという論理
6.地方債制度のさらなる自由化について


第8章 共同発行機関の必要性と地方公共団体金融機構の発足
1.財政投融資改革と地方債
2.公営企業金融公庫の改組
3.地方公共団体金融機構の発足とその機構
4.一般会計は政府資金、公営企業は公庫資金の棲み分けの経緯
5.地方公共団体禁輸機構とそのメカニズム
有史対象の拡大     機構の資金調達とその信用力     機構融資のメカニズム


第9章 自治体と金融市場・金融機関との信頼関係の構築
1.自治体に求められる金融的センス
2.公募団体におけるIRの現状
3.非公募団体における金融機関との関係:兵庫県川西市の事例
金融機関との接点:1年間を通じて     調達手法の多様化による借入コストの管理     指定金融機関のメリット確保     金融機関への情報開示のあり方     地方債の発行管理     金融機関から見た自治体向けビジネスモデルの変化     決算情報の開示


第10章 アメリカにおける地方債市場
1.アメリカにおける金融不安と地方債市場の動揺
2.建設公債主義の原則
3.地方債市場におけるプレーヤーとその機能
アメリカの地方債市場におけるプレーヤー     連邦破産法の適用の意義
4.地方債市場における市場化のあり方


終章 地方債制度のあり方―地方分権と財政秩序維持のバランス


あとがき

主要参考文献

索引

                                                                                                                                                  • -

自治体では、さまざまな住民・企業の多様な要望に応えるということをめざしているので、歳出カットは容易ではなく、財政再建は簡単ではなく、財政再建は簡単ではないことを再三述べてきたが、逆に、住民・議会が理解し、全庁あげて財政再建をするとなれば、20%程度の赤字であればそれほど苦労しなくても達成できる。決算報告さえ正確ならば、夕張市のような状況に陥ることはなく、地方債の償還が滞ることもない。自治体財政健全化法の枠組みがあれば、金融機関も貸倒れを過剰に心配する必要がない。
今後の自治体の財政再建で、公立病院などが特に懸念材料である。赤字続きの公立病院は、病院の経営改善を常に行い、一般会計からの財政支援で支えてもなお赤字が増え続けるならば、住民生活に支障が出たとしても支えられない以上、廃止せざるをえない。診療報酬体系など公立病院の経営環境の改善に期待するとしても、本体財政が支えられない病院は持つことができないという厳しい現実がある

ひだまりスケッチ6巻 学校の水泳大会、撮影係の中山さん「ね、男子の写真も撮らなきゃいけないのよね」 ゆのっち「えっ?そうだと思うよ」 中山さんの心内「・・・水着の男子って何か直視しづらいのよね・・・はっ 私ってば、そんな・・・はしたない! 私は記録係なんだから、みんなは被写体なんだから と、撮らなきゃ!・・・でも・・でも、直視できない!!!」 真っ赤な中山さん ゆのっち「中山さん?」
意外に見てみると、赤座あかりちゃんみたいに普通に良い子で、拍子抜けする。