知っておきたい医師の目から見た「災害」―備え、最前線、そして連携

知っておきたい医師の目から見た「災害」―備え、最前線、そして連携 白濱龍興 内外出版(2006/01)
お目ものーと

阪神・淡路大震災の時の震災直後の生き埋め者救出活動の聞き取り調査報告によりますと、八〇%以上の人が家族や近所の方々によって救出されたということであります。一方、警察、消防、自衛隊などの公的な防災機関によって救出されたのは二.四%に過ぎなかったという指摘がなされております。
このことにより、災害発生直後は、被災した人自身が自らを助ける「自助」、そして被災者同士、家族、隣人、居合わせた方々がお互いに助け合う「互助」が大変大切な要素であることが理解できます。さらに日赤などのNGO、災害拠点病院などで作っている医療チーム、医師会などで作っいる医療チームなど、種々の組織の医療チームが可及的早期に救援に駆けつけることになると思います。

海外の被災者に対する医療内容は、現地の医療状況、生活レベルを含む社会状況を認識した上、現地の医療レベルを超えてはならない、というのが海外での活動時の医療の鉄則といっても過言ではありません。特に、短期間の派遣となります国際緊急援助活動の場合は、抗生物質ステロイド剤を使用する際は当然のことではありますが、一般の医薬品の場合も量や適応などを常に念頭におき、現地の医療とバランスを取らなければなりません。派遣国の日常の医療状況を正しく把握するのは非常に困難であります。例えばルワンダ難民救援隊の医療活動では、HIVの陽性者が予想以上に多く、それに対する対策を十分取りながらの医療提供となりましたし、ホンデュラスからテレメディスンで送信した皮膚疾患は、現地ではありふれた疾患であるましたが、私たちにとりましては初めての経験でありました。このような現地の状況(衛生地誌といいます)などに関する情報は、医療従事者のみならずそれを支える管理要員も承知していなければならないと思います。

核物質、生物剤、化学剤は目に見えないことがほとんどです。そして気づかないうちに被爆しているのが普通であります。当初は何が起こったのか分からず、経過も予測できないことがほとんどであります。特に生物剤曝露の場合は細菌やウイルスなどの感染症でありますので、被災者は一般の診療所などの医療の最前線の機関に受診することになります。医療機関側にそれに対する認識がなければ、何時までも原因不明の病気が流行していると錯覚するかも知れません。

アスラクラインは目に見えないもの観測・予測できないものによる世界の崩壊を描いているのだな。風の谷のナウシカとかもそう、鋼殻のレギオスとかもそう。当時の原子力の事故や不安感の、その恐怖をなんとなく代弁・表現したものなのだ。ぼくはげきもえトオル会長さんが見れるだけでもう十分です。