冷戦後のNATO―“ハイブリッド同盟”への挑戦 広瀬佳一(著)吉崎知典(著) ミネルヴァ書房(2012/11)


目次-------------------------------------------
序章 NATO入門
1 起源
2 冷戦期の展開
3 冷戦後
4 NATOの組織
5 同盟国の負担と財政
6 本書の構成


第Ⅰ部 冷戦後のNATO変革


第1章 冷戦の終焉とNATOの模索
1 冷戦の終焉と1991年戦略概念
2 政治的役割の模索:NACCとPfP
3 加盟国周辺の「域外」非5条任務
4 9.11テロとNATOグローバル化
5 米欧関係の新たな展開:NATOEU関係


第2章 東方拡大
1 拡大の歴史的位相
2 冷戦後の第1次拡大
3 冷戦後の第2次拡大
4 さらなる拡大への可能性


第3章 軍事的変革
1 同盟変革の二つの位相
2 同盟としての脅威認識:危機管理から対テロ作戦へ
3 脅威への対処能力
4 米欧同盟の新たな役割分担


第Ⅱ部 同盟国の論理と思惑


第4章 アメリカのNATO戦略
1 オバマ政権成立とNATOへの新しい期待
2 オバマ政権におけるアメリカの戦略思考のチェンジ
3 オバマ政権が主導したNATO戦略概念の見直し
4 新戦略概念が定義する新しいNATOのミッション
5 耐乏時代(Age of austerity)のNATOの改革とトランスフォーメーション
6 米欧が向き合うNATOの新しい課題


第5章 冷戦後のNATOと統一ドイツ
1 冷戦の終焉とドイツの安全保障
2 NATOEUの東方拡大
3 バルカン紛争と危機管理・平和維持
4 イラク戦争と同盟の立て直し
5 欧州安全保障政策,アフガニスタン派兵とCaveat問題
6 ブッシュ政権からオバマ政権へ
7 NATOの新戦略概念とドイツ
8 新戦略概念とドイツの本音


第6章 フランスのNATO政策とその展開
1 フランス外交の伝統とゴーリスム
2 冷戦後のフランスとNATO
3 サルコジ政権による変化とNATO軍事機構への復帰
4 NATO軍事機構復帰後のフランス

第7章 “大西洋派”ポーランドNATO
1 冷戦後の中・東欧の安全保障
2 “大西洋派”としてのポーランドアメリカとの同盟
3 変化の兆し:「ヨーロッパ志向」を強める社会
4 グルジア紛争の衝撃とMD
5 2010年戦略概念とポーランド


第8章 エストニアの安全保障観とNATO
1 冷戦後の安全保障状況を考える手がかりとしての認識
2 NATO加盟を希求した理由:歴史的背景
3 公的な安全保障観と世論
4 エストニアNATO関係
5 NATO=ロシア関係とエストニア


 第Ⅲ部 21世紀のNATO


第9章 国際安全保障環境の変化と2010年戦略概念
1 変容する同盟と新たな戦略概念の模索
2 2010年戦略概念
3 2010年戦略概念を超えて


第10章 危機管理
1 「非5条任務」としての危機管理
2 「世界テロ戦争」の時代:ISAF指揮と民軍一体化の推進
3 能力構築としての治安部門改革
4 新たな役割分担:リビアでの「文民の保護」と同盟の将来


第11章 パートナーシップ
1 協調的安全保障とパートナーシップ
2 他の国際機関との関係
3 パートナー諸国との関係
4 拡大を超えて


終章 “ハイブリッド同盟”のゆくえ
1 2010年戦略概念の歴史的位相
2 集団防衛の虚と実
3 危機管理のディレンマ
4 日本とNATO


NATO関連資料
NATO主要年表
あとがき
人名索引
事項索引

                                                                                    • -

 第2に、ロシアの戦術核に関して透明性を求める文脈において、戦術核を「NATO加盟国の国境線から遠くに移転(relocate)すること」をロシアに求めるとされた。ここで想定された移転先や形態の想定は不明だったが、日本では、ロシアの戦術核が極東部分に再配置されることへの懸念と反発が一部で高まった。この問題が引き起こす日本への実際の影響については多方面から慎重に評価する必要があるものの、戦術核をめぐるヨーロッパ正面の議論が、日本を含めた他地域にも影響を及ぼす可能性があること、および、戦術核を含む核兵器に関する問題について、NATOと日本との間にリンクが存在することが明らかになったのは事実である。

ハロー!!きんいろモザイク3話op アリス「優柔不断じゃ♪ダメだよ有言実行♪♪」