日本陸軍戦争終結過程の研究 山本智之 芙蓉書房出版(2010/10/10)


目次--------------------------------------------
序章 本書の目的と研究史との関係
第1節 課題設定の理由
1、研究史上からみた問題意識
2、戦争問題からみた問題意識
第2節 アジア太平洋戦争史の研究動向における本書の位置づけ
第3節 問題の限定

 
第1章 ドイツの勝利が期待された段階における日本陸軍の戦争終結論(1941年秋頃〜1943年初頭)
第1節 日本陸軍と対米開戦
1、参謀本部作戦関係者の開戦にはたした役割(陸軍・主戦派の形成)
2、開戦時の戦争終結構想の検討(ドイツに依存した戦争計画の成立)
第2節 南方作戦下の日本陸軍の戦争指導
1、日本陸軍と南方作戦
2、第1回「戦争指導大綱」の検討
第3節 日本陸軍と西方攻勢論
1、西方攻勢論の発芽
2、西方攻勢論の本格的な台頭
3、西方攻勢論の挫折
第4節 中国に対する戦争指導
1、重慶進攻論の浮上
2、重慶進攻論と陸軍中央
3、重慶進攻論の頓挫
第5節 日本陸軍の対ソ戦計画
1、従来の1942年を中心とする開戦論
2、1944年開戦論の登場(対ソ戦慎重論の台頭)
3、1943年初頭における対ソ戦計画(対ソ戦慎重論から重視論への変容)
第6節 戦争計画における独ソ和平論
1、独ソ戦和平論の浮上
2、独ソ和平論の展開と挫折
小括 1941年秋頃から1943年初頭における日本陸軍の戦争終結論(陸軍・主戦派を中心とする戦争終結構想の内実) 


第2章 ドイツの勝利が危ぶまれる段階における日本陸軍の戦争終結論(1943年3月〜1944年6、7月)
第1節 日本陸軍部内における戦争計画の再検討
1、陸軍・3国同盟疑問派による終戦研究の開始
2、日本陸軍の戦争終結方略の展開
第2節 終戦研究の展開と陸軍・主戦派による長期戦争指導計画
1、作戦課の長期戦争指導計画
2、1943年夏頃の終戦研究
第3節 戦争終結構想をめぐる日本陸軍部内の対立
1、欧州戦局の変化と日本陸軍部内の対外認識の変化
2、新たな戦争終結方策の検証―ソ連仲介の対米早期講和論
(1)講和条件
(2)ソ連仲介による戦争終結方式の出現
3、第2回「戦争指導大綱」の策定と日本陸軍部内の対立
第4節 ドイツ敗北に備えた終戦研究の展開
1、日本陸軍の組織改編とドイツ敗北想定研究
2、強まる危機感と対米決戦論
3、混迷する日本陸軍の戦争指導―大陸作戦
4、戦争指導班関係者による早期講和論
第5節 陸軍・早期講和派の部外活動
1、陸軍・早期講和派の部外活動その1(外務省・海軍との接触
2、陸軍・早期講和派の部外活動その2(戦争指導課以外の陸軍関係者の活動)
(1)酒井鎬次の活動
(2)酒井の情報提供の意味
(3)酒井と戦争指導課との連携
3、サイパン戦前後の陸軍・早期講和派の活動
(1)活発になる陸軍・早期講和派の活動
(2)日本陸軍部内の終戦工作とその挫折
小括 1943年3月から1944年6、7月における日本陸軍の戦争終結論(陸軍・早期講和派を中心とする戦争終結構想の内実) 


第3章 ドイツの敗北が決定的になった段階における日本陸軍の戦争終結論(1944年7月〜敗戦)
第1節 混乱する日本陸軍の戦争指導
1、東条内閣の崩壊と日本陸軍の戦争指導
2、新作戦方針と第3回「戦争指導大綱」の検討
第2節 ドイツ崩壊頃までの日本陸軍の政戦略
1、本土決戦論の展開
(1)本土防衛から本土決戦へ
(2)本土中心の作戦
2、日本陸軍の対ソ施策研究と第4回「戦争指導大綱」の策定
第3節 陸軍・早期講和派の活動と役割
1、松谷誠の中央復帰の理由
2、日本陸軍の裏方の終戦工作
(1)陸軍・早期講和派による諸勢力との連携の強化
(2)陸軍・早期講和派による陸軍首脳説得工作
(3)陸軍・早期講和派による木戸幸一内大臣に対する説得工作
3、戦局の悪化と人事異動(中央の要職から去る陸軍・主戦派)
第4節 ドイツの降伏と沖縄戦を契機として
1、陸軍・早期講和派による陸軍首脳説得工作の続行
(1)終戦工作「4人組」の活動の強化
(2)続行する陸軍首脳に対する説得工作
(3)陸軍部外早期講和派に対するソ連情報の提供
(4)陸軍・早期講和派による課長クラスの中堅層対する説得工作
2、陸軍・中間派の動揺と心境変化(早期講和路線への傾斜)
3、梅津の上奏の歴史的な意味
4、仲介工作にはたした陸軍・早期講和派の役割
第5節 敗戦と日本陸軍
小括 1944年7月から敗戦までの日本陸軍の戦争終結論(陸軍・主戦派、陸軍・早期講和派、陸軍・中間派の三極構造)


補論1 日本陸軍中央と対中国戦争指導―戦争終結にはたした大陸打通作戦の役割―
はじめに
1、アジア太平洋戦争開戦と日本陸軍中央の中国認識
(1)開戦時の対中国戦略
(2)戦争指導課による終戦研究の開始
(3)終戦研究における対重慶和平の検討
(4)作戦課による長期戦争指導計画の策定と終戦研究との関係
2、対重慶和平路線重視から武力行使路線重視への転換
(1)欧州情勢の変化と新たな戦争終結
(2)国策における中国の位置
(3)終戦研究のその後
2、対中国武力行使路線の選択とその影響
(1)作戦課による大陸作戦の推進
(2)対中国武力行使路線の採用の結果
(3)梅津美治朗参謀総長の上奏と戦争終結移行の促進
おわりに


補論2 旧日本陸軍軍人の再軍備構想―服部グループの計画を再検討する―
はじめに
1、服部グループ成立前史―アジア太平洋戦争と服部卓四郎
(1)アジア太平洋戦争開戦と服部卓四郎
(2)開戦後の服部卓四郎(第1次作戦課長時代)
(3)開戦後の服部卓四郎(第2次作戦課長時代)
2、服部グループの再軍備構想と政治的な位置づけ
(1)服部グループの結成とその危機感
(2)服部グループの再軍備構想
(3)服部グループの政治力(服部包囲網の形成)
おわりに


終章 日本陸軍の戦争終結過程(終戦工作)と今後の展望
第1節 まとめ
第2節 今後の課題―日本政治・外交史研究、軍事史研究、戦略研究の観点から
1、陸軍研究と日本政治・外交史研究
2、陸軍研究と軍事史研究
3、陸軍研究と戦略研究


参考資料
参考文献一覧
あとがき

                                                                                      • -

 結局のところ、陸軍中央の戦争計画の判断基準は、太平洋戦場より欧州戦場にあったので、ドイツ軍の敗勢は、日本の戦争計画に大きな影響を及ぼし、戦争指導班による終戦研究が行われた。欧州情勢をめぐる認識の相違により、戦争指導班が作戦課の反対派となったことにより、作戦課は、大陸での攻勢の勢いで反対派を完封する必要があった。その意味で、戦争指導班の終戦研究と作戦課の作戦指導は密接な関係にあり、大陸打通作戦は、陸軍部内の派閥構造の対立をなくすために(作戦課による反対派の完封)実施され、それこそ作戦課に反対する勢力が無視しえないことを示していたといえよう。こうして対ソ戦の実施にかわり大陸打通作戦が実施されたが、支那派遣軍の戦力は著しく消耗し陸軍が分裂し、戦争終結への移行が遅れたとはいえ、この点に関しては、アジア太平洋戦争の戦争終結を早めた。対米戦期の日中戦争の役割は、日本軍の敗北を促進させたものとして今まで以上に評価されてもよいのではないか。

魔法少女まどか☆マギカ第6話 こんなの絶対おかしいよ さやかちゃんに我らが佐倉杏子ちゃん「会いもしないで帰るのかい?今日1日追いかけ回したくせに」
さやかちゃん「お前は」
杏子ちゃん「知ってるよ、この家の坊やなんだろ?アンタがキュゥべえと契約した理由って、全く。たった一度の奇跡のチャンスをくっだらねぇことに使い潰しやがって」
さやかちゃん「お前なんかに何が分かる」
杏子ちゃん「わかってねえのはそっちだ、バカ。魔法ってのはね、徹頭徹尾自分だけの望みを叶えるためのもんなんだよ、他人のために使ったところでロクなことにはならないのさ。 巴マミはそんなことも教えてくれなかったのかい?」
杏子ちゃんがいたら、もしかしたら違う道が・・・。 さやかちゃんに感情移入するのがわかったわ。