【新訳】戦争論

【新訳】戦争論 クラウゼヴィッツ(著)兵頭二十八(翻訳) PHP研究所(2011/12/8)
目次----------------------------------------------------------------
はじめに
原著者カール・フォン・クラウゼヴィッツについて
原書のタイトルと、内容が海戦を含んでいない理由
本書の訳解の方針について


第Ⅰ部 戦争の性質
第1章 意識的プロイセン人にとって戦争とは何でなければならないか
第2章 戦争における目的と手段
第3章 軍事的天才
第4章 戦争における危険について
第5章 戦争で部下将兵の肉体が味わう苦労について
第6章 戦争における情報
第7章〜第8章 戦争におけるフリクション(摩擦)


第Ⅱ部 戦争の理論
第1章 軍事学術の区分
第2章 戦争の理論
第3章 戦争は「学」でも「術」でもない
第4章 マニュアルはどこまで可能か?
第5章 戦史上の諸将の決心を史家が批評することの限界
第6章 戦術研究例は18世紀半ば以降のものなるを要す


第Ⅲ部 戦略概論
第1章 戦略
第2章〜第7章 戦略の要素としての精神力
第8章〜第16章 精神力以外の戦略要素の考察
第17章〜第18章 いまや「国民戦争」時代であること、および、敵が攻勢を発起する前の準備的静止についての注意


第Ⅳ部 戦闘
第1章〜第6章 「熟慮」と「断行」のけじめ
第7章〜第8章 今日では決戦は強要し得る
第9章〜第11章 大会戦では、分業を破壊された側が負ける
第12章〜第13章 司令官は鬼となって追撃に処すべきこと
第14章 夜間の攻撃作戦は是か非か


第Ⅴ部 戦闘力
第1章〜第3章 軍制の術語の「軍」という部隊単位について
第4章 「軍」内の三兵科の配合割合について
第5章 「軍」内の戦闘序列、すなわち分割と並べ方
第6章〜第16章 行軍や退却に関するいくつかの注意点
第17章 高地の占領ばかり重視しても仕方ない


第Ⅵ部 防禦
第1章〜第4章 防禦は攻撃よりも強い
第5章〜第8章 国民にガッツがあると、外国も助けてくれる
第9章〜第14章 陣地と要塞について
第15章〜第17章 ドイツの山地は防禦の頼りとならぬこと
第18章〜第20章 陸水を防禦に役立てるには
第21章〜第23章 森林を正面に見るような防禦陣は拙い
第24章〜第26章 本土防衛線と国民総ゲリラ戦
第27章〜第30章 ドイツの平野部戦場での防禦


第Ⅶ部 攻撃
第1章〜第7章 媾和のための攻撃は最後の防禦が肝腎だ
第8章〜第14章 地形に応じた攻撃の諸注意
第15章 決戦方針の下での攻撃に関する注意
第16章〜第17章 非決戦方針下の攻撃に関する諸注意
第18章〜第19章 攻撃作戦中の諸注意
第20章 「釣りだし攻撃(Diversion)」について
第21章 「侵略戦争」などというものはない
編集者による付録(無番号)章 攻撃から防禦への変遷期について


第Ⅷ部 戦争計画についてのノート
第1章〜第3章 時代ごとに制約があり、可能性がある
第4章〜第5章 敵軍も大事だが、首都も大事だ
第6章 わが国にも人民革命が必要である
第7章〜第8章 ありがちな自制的戦争での心得
第9章 最後に、わが「対仏戦争プラン」を語っておく


おわりに

                                                                                                                              • -

フリードリヒ2世(1712〜86、「大王」とも称せれる)は、1748年に「Die Generalprinzipien des Krieges(最近諸戦争における大原則)」なる論文を書き著しています。この「戦争」は、あくまで複数形扱いなうえ、しかも冠詞によって、それが、大王による直近の戦争経験から結論されているプロイセン軍将校のための教科書であることが明示されているでしょう。
 これに対してクラウゼヴィッツの『VOM KRIEGE』なるタイトルの付け方は、限定がなく、大上段にふりかぶったものなのに、内容は、<陸上戦争概論>とか<戦争原論>ではありません。彼の関心は「次の対仏戦」にしか、なかったのです。でも、「フランス打倒準備の話だぞ」とあけすけに強調・示唆するのは、文明世界の公人として憚られた。それで、ぼやかす意味で、定冠詞を省いたのかもしれません。

宮本武蔵の『五輪書』は、じつは全編、徳川将軍家御家流となった「柳生流」兵法をライバル視した「アンチ・柳生氏」の情念で貫かれているのだと、あらかじめ承知して読めば、理解できる箇所が少なくありません。しかし、その反発心理が強烈であっただけに、『五輪書』にも、また武蔵の他の著述中にも、ただの一箇所も「柳生」とか『兵法家伝書』という言葉は出てきません。
 ややそれと似た関係が、『戦争論』とジョミニ兵学の間にもあります。クラウゼヴィッツは、『戦争論』のテキストのうえで、はじめから終りまで、同時代の最もポピュラーな軍事理論家であり、「ナポレオンの強さの秘訣を知っている男」だと、プロイセンまで含めた全欧の識字階層から看做されていた、ジョミニの諸著作(そのタイトルはたくさんあったうえに、ジョミニは旧著の改訂版も次々とリリースし続けていました)と戦っているのです。しかし「ジョミニ」という名前は、『戦争論』全篇中にただ一回、あっさりと否定的に言及されるだけ(第Ⅵ部第30章)でしょう。

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