チェチェン

チェチェン パトリック・ブリュノー(著)萩谷良(翻訳) 白水社(2005/7/25)
目次--------------------------------------------------------------------------------
序文


第1章 チェチェン人の起源



第2章 歴史概要
1 前ロシア時代(1816年まで)

2 大カフカス戦争(1816〜64年)

3 帝政時代(1864〜1917年)

4 山岳共和国から民族強制移住まで(1917〜44年)
行政の変遷     反共産主義抵抗運動

5 カザフスタンへの流刑と帰還(1944〜91年)
1 強制移住の理由     2 強制移住はどのように行なわれたか     3 流刑地で     4 名誉回復     5 帰還     6 地理的変容

6 独立主義(1991〜96年)
1 前提     2「環境保護主義者」     3 経済再編     4 共産党エリート     5 権力の民族化     6 最高会議内反体制派     7 民族主義者の同盟     8 主権宣言     9 立法権「戦争」     10 民族主義者の分裂



第3章 地理と天然資源
1 民族集団の歴史的変遷
1 行政的変遷     2 少数民族集団     3 民族の変化     4 単一民族

2 水系と道路
1 河川     2 平野民族への従属     3 南から北へという軸      4 鉄道交通     5 ロシアの障壁

3 豊かな地下資源と「中央部」をめぐる闘争
1 飛び地の産業地帯     2 油田・ガス田     3 親ロシア陣営と独立派      4 コサックとイングーシ人



第4章 石油を中心とした経済
1 ロシアの古くからの油田
1 産業の集中     2 石油をめぐる闘争     3 外国資本     4 チェチェンブルジョワ層の誕生     5 銀行     6 世界的トラスト     7 採掘の進展      8 精油所      9 ドゥダエフ時代の採掘     10 マモダエフ     11 石油の輸出     12 衛星産業

2 農村部
1 肥沃な土地      2 農業     3 牧畜     4 山岳地帯     5 村の影響力     6 農業の自給自足

3 戦略上の焦点となったパイプライン
1 石油輸送の要衝グロズヌイ     2 中央アジアの石油     3「石油立国論」     4 トルコの役割     5 将来の石油パイプラインのルート



第5章 社会組織と宗教
1 氏族制度
1 チェチェン人内部の区別     2 テイプ      3 女性の役割     4 伝統

2 アニミズム多神教
1 日月信仰     2 チェチェン人の宇宙     3 万神殿

3 スーフィズムムスリム教団
1 スーフィズムの出現     2 スーフィズムと政治     3 ナクシュバンディー教団     4 カーディリー教団     5 スーフィズム両派間の対立



第6章 世界のなかのチェチェン
1 最初のディアスポラ―「大戦」の難民(トルコ・シリア・ヨルダン)
1 十九世紀の人口流出     2 トルコ     3 ヨルダン     4 シリアとエジプト     5 在外者の役割      6 国外でのチェチェン支援     7 アブドゥル・バキ・ジャンモ師

2 第2のディアスポラスターリン主義による強制移住者(カザフスタン中央アジア
1 強制移住者の定住     2 現在の定住者     3 反カフカス人暴動     4 カザフスタンディアスポラの重要性

3 第3のディアスポラ―ロシアとヨーロッパ
1 内訳     2 近年の移住     3 マフィア     4 民族間紛争



第7章 国家制度
1 部族体制
1 トゥフムの定義     2 組織構造     3 下位区分

2 シャミリのイママート制
1 組織構造      2 政治制度     3 軍隊     4 財政     5 法制度

3 山岳共和国とソヴィエト自治

4 イチケリア・チェチェン共和国
1 ノフチ・チョとイチケリア     2 大統領     3 議会      4 大統領の行政機構     5 政府     6 長老評議会     7 地方の組織構造     8 軍隊     9 財政



第8章 現在の政治
1 独立主義勢力
1「緑の運動」     2「イスラムの道」     3「ヴァイナフ民主党」     4「チェチェン民族国民運動」     5「チェチェン民族国民会議」      6「チェチェン人民会議」

2 親ロシア勢力
1「ダイモーク」      2「マルショ」     3 コサック



第9章 「戦争」
1 1991年の革命
1 モスクワのクーデタ     2 ハスブラトフ、ハッジエフ、ドゥダエフ     3 民族親衛隊の役割     4 最高会議の解散     5 反ドゥダエフ勢力     6 ドゥダエフの選出     7 非常事態

2 封鎖(1992〜94年)
1 反体制派の抗争     2 反マモダエフ・キャンペーン     3 ハスブラトフ     4 ドク・ザヴガエフ     5 内戦

3 ロシアの軍事介入(1994〜96年)
1 部隊の投入     2 テロリズム     3 交渉     4 ザヴガエフの選出     5 力関係の変化

4 1996年以降の「正常化」
1 ロシア大統領     2 形だけの「正常化」     3 マスハドフの選出



結語
チェチェン』日本語版への補遺
両次チェチェン戦争間の時期(1997〜99年)     ダゲスタン侵攻と第2次チェチェン戦争(1999〜2001年)     ゲリラ戦(2001〜5年)

解説「チェチェン紛争の現在」

訳者あとがき

参考文献

                                                                                                                                                            • -

チェチェン人」という名称は、ロシアから与えられたもので、チェチェン人自身は、チェチェン人全体をさして「ノムチョ」と呼んでいる。ノムチョというのは、元来、平野部に住むチェチェン人をさす呼称で、山岳部の住民は「ラムロ」と称していた。しかし、チェチェン人自身が自分たちを呼ぶときは、これらの名称よりも、所属する氏族の名称を用いるほうが普通である。十九世紀には135のテイプが存在した。このヴァイナフの国には、外国人も、農業のできる土地を求めて、あるいは難民として入ってきた。彼らは、生き延びていくためには、この地の伝統と掟を受け入れ、土着の言語を使わなければならなかった。そして先住のチェチェン人に倣い、20ほどの氏族を形成して、それがこんにちも存在している。

スーフィズムは、ソ連の専門家が言うような宗教的セクト主義の現象ではなく、ある宗教的傾向をもつ信者による、イスラムの徹底的な表現である。スーフィーの教団は、ウィルドと呼ばれる、多くは著名な開祖をもつ諸派に分かれている。これらのウィルドは、たいてい、開祖の名で呼ばれている。

これはゾンビですか?1話 突然登場して誰?と聞かれるハルナ「ヴィリエの天才魔装少女、ハルナちゃんだ! そんぐらいわかれよな!」