日本の宇宙戦略

日本の宇宙戦略 青木節子 慶應義塾大学出版会(2006/11)
目次--------------------------------------------------------------------------------
まえがき

はじめに 真の「宇宙大国」をめざして
試練の時を迎えた日本の宇宙開発     国際プロジェクトの困難     進む世界の宇宙開発・利用     新しい商業利用の可能性―宇宙観光業     宇宙の産業化と軍事的意味合い


第1章 宇宙開発・利用の歴史
1 国を挙げての熾烈な競争―スプートニク・ショックからスペースシャトルまで

2 秘密裏に行われた軍事衛星利用―冷戦期の動向
(1)民生利用に隠れた軍事衛星
(2)軍事利用のための区域としての宇宙―冷戦期の軍事衛星
①画像偵察衛星   ②電子偵察衛星   ③海洋監視衛星   ④早期警戒衛星   ⑤核実験探知衛星   ⑥その他の衛星

3 冷戦期の有人軍用探知システムの試み
(1)米国の有人システム
(2)ソ連の有人システム
4 冷戦後の宇宙開発と利用
(1)有人宇宙開発―国際宇宙ステーションに参加するロシア
(2)中国―アジア初の有人活動の成功
(3)欧州と日本―住還機計画の困難と放棄

5 RMA時代の宇宙の軍事利用
(1)米国―「スペース・コントロール」維持という命題
(2)中国とロシア―米国に対抗して

6 宇宙の商業利用と安全保障
(1)宇宙産業の規模
(2)衛星打上げにおける安全保障の壁


第2章 国際宇宙法の基本原則

1 国際法とはなにか
(1)条約と慣習法
(2)法の一般原則
(3)ソフトローや一方的国内措置の重要性

2 国際宇宙法の生成―宇宙条約採択前後
(1)スプートニク以前
(2)宇宙空間平和利用委員会の設置

3 宇宙条約の基本原則
(1)宇宙活動の自由
(2)宇宙の領有禁止
(3)宇宙の軍備管理
(4)宇宙の環境保護
(5)商業利用をめぐる国際宇宙法―民間活動に対する責任体制

4 宇宙物体に起因する損害責任制度
(1)「打上げ国」の賠償責任
(2)損害賠償請求手続き(一)―国家請求が基本
(3)損害請求手続き(二)―個人が請求する場合

5 宇宙物体登録の意義―登録と国家管轄権
(1)国籍をもたない宇宙物体
(2)管轄権と管理
(3)宇宙物体登録条約の規定
(4)管轄権についての宇宙法の特色

6 80年代以降―5つの国連総会決議
(1)直接放送衛星原則
(2)リモート・センシング原則
①「無差別かつ平等な費用」で保障される被探査国のアクセス権   ②欧州の「データベースの法的保護に関する指令」
(4)スペース・ベネフィット宣言

7 ITUと国際宇宙法
(1)ITUの規制―稀少な資源としての周波数と軌道位置分配
(2)「ペーパー衛星」問題
8 今後の展望



第3章 衛星通信における自由と公平
1 国際通信衛星システムの構築
(1)衛星通信の黎明期
(2)世界単一の商業公衆通信衛星組織―「インテルサット」
①コンソーシアムとしてのインテルサット   ②世界初の商業目的の国際組織
(3)インタースプートニクの変遷
(4)国際海事衛星機構(インマルサット)の発展
①国際組織としてのインマルサット   ②インマルサット独自衛星取得までの道

2 衛星通信システム構築時代の自由と公平
(1)ITUの周波数管理と公平
(2)政府間国際衛星組織時代の自由と公平
3 非インテルサットシステムの興隆
(1)非インテルサット地域システムの容認
(2)インテルサット単一性原則の崩壊
①協定第14条(d)の実質的放棄   ②バミューダ・米国法人としてのインテルサット


4 インテルサットとインマルサットの民営化
(1)インマルサットの民営化
(2)インテルサットの民営化
(3)国際衛星システム民営化時代の公平概念
(4)通信民営化時代の日本の貢献

 
第4章 宇宙の軍備管理
1 国際宇宙法による宇宙の軍備管理
(1)国際宇宙法リスト
(2)宇宙条約の重要性―第4条の解釈
①「平和的目的」の定義   ②宇宙空間における「平和的目的」利用義務の存否   ③宇宙条約による規制
(3)月協定による軍備管理
(4)国連総会決議としての原則


2 軍備管理・軍縮条約による宇宙の軍事利用規制
(1)多国間条約 1963年「大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験を禁止する条約」
(2)2国間条約 1972年「対弾道ミサイルシステムの制限に関する米ソ間の条約」
(3)軍事衛星による監視を許容する条約群


3 宇宙戦争を規制する国際法
(1)戦争法から武力紛争法へ
(2)「対宇宙作戦」に適用可能な武力紛争条約リスト
①1856年 海上法ノ要義ヲ確定スル宣言   ②1907年 陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約   ③1907年 陸戦ノ場合ニ於ケル中立国及中立人ノ権利義務ニ関スル条約   ④自動触発海底水雷ノ敷設ニ関スル条約   ⑤1907年 海戦ノ場合ニ於ケル中立国ノ権利義務ニ関スル条約   ⑥1977年 環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約   ⑦1977年 ジュネーブ条約に対する第1追加議定書   ⑧国際電気通信連合憲章
(3)その他の重要な文書および概念
①1907年 海戦法規に関する宣言   ②1922年〜1923年 戦時の無線電信管理および空戦規則案   ③1994年 サンレモ・マニュアル   ④マルテンス条項
(4)評価と結論


4 軍縮会議の限界と意義
(1)軍縮会議の機能
①PAROSアドホック委員会の意義   ②軍縮会議の成果の概要
(2)ウェポニゼーション禁止の方法
①条約解釈案   ②宇宙兵器禁止条約採択案   ③ASAT禁止条約採択案   ④信頼醸成措置諸提案


5 宇宙の軍備管理の現状―結論


第5章 宇宙の平和利用原則―日本独自の「非軍事」解釈
1 岐路に立つ日本の宇宙戦略


2 世界水準でみる「宇宙の平和利用」


3 日本の宇宙平和利用政策
(1)宇宙条約批准時の議論
(2)非軍事利用の確立 1969年国会決議
(3)自衛隊通信衛星利用は可能か?
(4)どこまでが非軍事か?「一般化理論」の採用
(5)「無差別公平原則」による宇宙利用―顧客に対する平等なサービス
(6)軍隊での一般化も一般化理論の対象か?
(7)防衛庁のリモート・センシング画像利用
(8)情報収集衛星の導入と一般化理論
(9)弾道ミサイル防衛導入


4 非軍事利用の範囲―日本の水準
(1)国会審議録にみる「非軍事」
(2)今後の展望 


第6章 宇宙環境の保護―宇宙のゴミ問題
1 「スペースデブリ」問題の現状
(1)3,500万個以上の宇宙ゴミ
(2)デブリ観測網の「カタログ化」
(3)デブリの発生原因

 
2 スペースデブリ低減策
(1)デオービット、リオービッド、回収
(2)低減策実行例


3 スペースデブリ対策の国際法―損害賠償(事後規制)と低減策(事前規制)
(1)宇宙条約とスペースデブリ低減策
①宇宙条約第1条   ②宇宙条約第9条
(2)宇宙損害条約とスペースデブリ
①宇宙物体とスペースデブリ   ②コスモス954事件   ③日本が関わったデブリ事例
(3)ILA国際文書にみる立法論


4 デブリ低減ガイドライン―ソフトローの有用性
(1)技術ガイドラインの有用性
(2)IADCガイドラインと国内履行
(3)IADCとその他の国際機関
(4)結論―ソフトローの有用性


第7章 宇宙の産業化と国内法
1 宇宙活動法制定の論理―なぜ国内法が必要か
(1)宇宙関係条約履行のための国内法
(2)宇宙関係条約の解釈調整のための国内法
(3)産業促進のための国内法
①「宇宙活動」の範囲   ②産業保護という要素


2 宇宙活動法の現状
(1)宇宙活動法を制定した国
(2)宇宙活動法の概要
ノルウェー法   ②スウェーデン法   ③英国法   ④南アフリカ法   ⑤ロシア法   ⑥ウクライナ宇宙活動法   ⑦香港特別行政区宇宙条例   ⑧豪州法   ⑨ブラジル勅令   ⑩韓国法   ⑪ベルギー法


3 宇宙の民営化―米国の試み
(1)陸域リモート・センシング商業化法
①三段階の民営化   ②免許取得義務者の範囲   ③短命に終わった完全民営化政策
(2)商業宇宙打上げ法
①免許取得義務者の範囲   ②第三者賠償と相互放棄   ③宇宙観光時代の打上げ免許


第8章 アジアの宇宙開発利用と国際協力―地域協力への道
1 アジアの躍進―先端科学技術力の重要性


2 アジアの宇宙開発利用―三つの発展段階
(1)第一段階の国―日本、中国、インド
(2)第二段階の国―韓国ならびにASEAN先進国
①韓国   ②タイ   ③インドネシア    ④マレーシア   ⑤その他の先進国
(3)第三段階の国々―宇宙応用に意欲的なアジア諸国


3 アジアの国際協力
(1)国際協力に中のアジア
①国連を基盤とした協力―UNISPACEⅢの履行確保   ②国連外の政府間協力―GEO   ③非政府間国際協力   ④国際災害チャータ
(2)アジアの地域協力
①APRSAF   ②APSCO


終章 岐路に立つ宇宙政策
1 各章をふりかえって
(1)「地球社会」に組みこまれた「宇宙」
(2)依存と相互依存の間―国際協力をめざして
(3)宇宙戦争と非軍事利用
(4)宇宙の環境問題と地球の災害監視


2 宇宙開発の意義
(1)国威発揚としての宇宙開発
①典型例―アポロと神舟   ②変形バージョン―国威、効率、軍事管理
(2)軍事力向上のための宇宙―「宇宙の軍事利用」
①ミサイルとロケットの同質性   ②価値を増す軍事衛星   ③新しい国際衛星監視機関(ISMA)―小型衛星の代用
(3)商業利用(経済的利益)のための宇宙開発
①「汎用利用」としての宇宙利用   ②「武器輸出三原則」という重荷   ③米国の例―安全保障と経済的利益の衝量
(4)国際協力手段としての宇宙開発と知のための知


参考文献
略語一覧

                                                                                                                                                              • -

宇宙条約以下の宇宙関係条約で、「スペースデブリ」を定義し、宇宙のゴミ問題について言及している条項はない。宇宙関係条約作成当時、宇宙のゴミ問題は念頭に置かれていなかったためであるが、スペースデブリ低減の義務として読み込めないこともない条項もある。以下、既存の法的拘束力をもつ宇宙関係条約のデブリ対策を簡単に眺め、その後、立法論の観点からの提案を紹介する。

侵略!イカ娘9話 ピンポンダッシュを試みるイカ娘。だがしかし家の人と鉢合わせしてしまい真っ青なイカ娘。イカ娘を見知らぬ家の人は似た年格好の家の娘の友達かと思い「あっ、もしかして清美のお友達かしら?」 我が意得たりなイカ娘「はっ、そんなところでゲソッ!!」