検証 中小企業金融―「根拠なき通説」の実証分析

検証 中小企業金融―「根拠なき通説」の実証分析 渡辺努(著) 植杉威一郎(著) 日本経済新聞出版社(2008/09)
目次--------------------------------------------------------------------------------
はしがき

序章 中小企業金融の通説を検証する
1 本書の目的
(1)はじめに
(2)企業と金融機関の関係は経済のパフォーマンスを左右する
(3)中小企業の重要性と先行研究
(4)検証する通説
2 各章の概要
(1)「中小企業における淘汰は正常か」(第1章:植杉)
(2)「中小企業向け融資は適切に金利設定せれているか」(第2章:細野)
(3)「貸しはがしの影響は深刻だったのか」(第3章:小川)
(4)「リレーションシップバンキングは中小企業金融の万能薬か」(第4章:内田)
(5)「担保や保証人に依存した貸し出しはやめるべき」(第5章:小野)
(6)「政府による特別信用保証には効果があったのか」(第6章:植杉)
【参考文献】

第1章 中小企業における淘汰は正常か
1 はじめに
2 企業の淘汰とは何か
(1)経済学における淘汰という考え方
(2)大企業における「不自然な淘汰」
(3)中小企業における淘汰
(4)不自然な淘汰の検証方法
3 自然な淘汰か不自然な淘汰か:デフォルトデータに基づく検証
(1)分析の枠組み
(2)分析に用いるデータ
(3)結果
4 自然な淘汰か不自然な淘汰か:自主廃業も含むデータに基づく検証
(1)分析の枠組み
(2)分析に用いるデータ
(3)結果
(4)解釈
5 淘汰の重要性
(1)分析の枠組み
(2)結果
(3)解釈
6 おわりに
【参考文献】

第2章 中小企業向け融資は適切に金利設定されているか
1 はじめに
2 貸出金利の理論
(1)情報が完全な市場
(2)情報が非対称な市場
非対称情報に基づく信用割り当て    リレーションシップバンキングによる金利標準化    ゾンビ貸し出し
3 貸出金利に関する既存の実証分析
4 実証分析
(1)仮設の検証方法
(2)データ
金利スプレッド    デフォルト確立(PD)
(3)記述統計量
(4)PDの変化に対する金利スプレッドの反応
(5)金利スプレッドは将来の企業パフォーマンスを予見できるか
デフォルト事象の予見可能性    財務指標の予見可能性    サバイバルバイアス    業績の変化と水準
(6)金利スプレッドの持続性(persistence)
5 おわりに
【参考文献】
[補論 使用データの概要]

第3章 貸しはがしの影響は深刻だったのか
1 はじめに
(1)「貸し渋り」と「貸しはがし」の立場
(2)「追い貸し」の立場
(3)本章の目的
(4)本章の構成
2 銀行の財務状況と銀行貸し出し:既存研究のサーベイ
(1)「貸し渋り」「貸しはがし」を支持する研究
(2)「追い貸し」を支持する研究
3 銀行の財務状況と企業行動:既存研究と本章の関連
(1)企業行動のどの側面に焦点を当てるのか
(2)メインバンクをいかに定義するか
(3)本章の特徴
(4)中小企業にとってのメインバンクの役割
4 メインバンクの健全性と中小企業向け貸し出し:実証分析
(1)使用データとメインバンク関係の実態
(2)メインバンクの貸し出し態度とモデルの定式化
(3)メインバンクの貸し出し態度の決定要因
(4)モデルの計測結果:「貸しはがし」は見られたのか
5 メインバンクの健全性と企業行動:実証分析
(1)実証分析の設計
(2)多様な企業行動をどうとらえるのか
(3)メインバンクの健全性と企業行動:モデルの定式化
(4)企業行動のその他の決定要因
(5)メインバンク関係の変化と企業行動:どのチャネルが重要か
6 おわりに
【参考文献】

第4章 リレーションシップバンキングは中小企業金融の万能薬か
1 はじめに
2 「リレーションシップバンキング」の意味
(1)学界における「リレーションシップバンキング
情報面のメリットから見た「リレーションシップバンキング」    リレーションシップ貸し出し    長期的取引のメリットから見た「リレーションシップバンキング
(2)行政・実務上の「リレーションシップバンキング
行政の「リレーションシップバンキング」    実務上の「リレーションシップバンキング
3 リレーションシップバンキングは斬新なビジネスモデルか
(1)経済理論としてのリレーションバンキング
(2)実務上の斬新さ
(3)メインバンクモデルからの示唆
4 リレーションシップバンキングは中小企業金融の万能薬か
(1)実証分析の重要性
(2)これまでの実証研究
(3)Kano,Uchida,Udell,and Watanabe [2006]論文の結果
(4)リレーションシップバンキングは万能薬か
5 おわりに
【参考文献】
第5章 担保や保証人に依存した貸し出しはやめるべきか
1 はじめに
2 中小企業向け貸し出しにおける担保・保証の利用状況
3 借り手のインセンティブ問題と担保・保証
(1)担保・保証に対する批判:「晴れた日に傘を差し出し、雨の日に傘を取り上げる」
(2)情報の非対称性の下ででの担保・保証の役割
(3)担保・保証利用率と借り手のリスク
4 貸し手のモニタリング活動と担保・保証
(1)担保・保証に対する批判:銀行の審査・モニタリング活動へのインセンティブを低下させる
(2)担保・保証利用率と金融機関のモニタリング活動
(3)担保・保証とモニタリング活動の補完性
5 リレーションシップと担保・保証
(1)担保・保証に対する批判:リレーションシップの不在が担保偏重を招く
(2)担保・保証利用率とリレーションシップ
(3)担保・保証とリレーションシップの補完性
6 実証分析
(1)推計モデル
(2)推計結果
(3)今後の分析課題
7 おわりに
【参考文献】

第6章 政府による特別信用保証には効果があったのか
1 はじめに
2 日本の信用保証制度
(1)沿革と概要
(2)他国との比較
3 空前の措置であった特別保証制度
(1)期待されていた貸し渋りの緩和効果
(2)中小企業の体質改善にはつながらないとの批判
4 効果の検証
(1)分析の枠組み
(2)分析に用いるデータ
(3)記述統計量を用いた分析
①規模が小さく利益率も低い特別信用保証利用企業    ②特別信用保証の利用によって長期借入金比率や利益率が高くなる    ③小規模企業でも特別信用保証により長期借入金比率が大きく上昇    ④信用リスクの高い中小企業では特別信用保証を利用しても収益率が改善しない
(4)2段階推計を用いた分析
5 結果の解釈
(1)貸し渋りを緩和した特別信用保証
(2)資金制約緩和効果がモラルハザード効果を上回る場合がある
(3)モラルハザードの問題が相対的に小さいのはなぜか
(4)特別信用保証利用企業における支払金利
(5)財政コストとの比較
6 おわりに
【参考文献】

終章 中小企業金融の実態と将来像
1 通説とは反する面が多い中小企業金融の実態
(1)他国よりも関係依存型とはいえない日本の中小企業金融
(2)効率的な面が多い日本の中小企業金融
(3)一定の効果はあった政府部門の介入
2 今後の中小企業金融
(1)減少する政府部門の関与、さらに薄くなる企業と金融機関の関係
(2)関係依存型金融の「選択と集中」を
(3)より合理的な金利設定を
(4)政府部門の役割に関する客観的な評価を
【参考文献】

補論 各章の分析に用いたデータベースについて
(1)これまでの中小企業に関する財務諸表データの整備状況
(2)Credit Risk Database (CRD)
(3)金融環境実態調査
金融環境実態調査2001〜2003年(企業資金調達環境実態調査)調査項目

専門用語解説

索引

                                                                                                                                                            • -

特別信用保証の利用企業では長期借入金総資産比率が大きく増加しており、貸し渋りは明らかに緩和された。特に小規模企業で緩和効果は顕著であった。不良債権問題に苦しみ自己資本比率を引き上げるために金融機関が旧債振替を行った可能性はあるが、それにもかかわらず、制度利用企業では負債比率が増大した。また、事前の信用リスクが低い企業においては、モラルハザード効果を資金制約緩和効果が上回り、制度実施後に利益率が改善した。
加えて、第1章で指摘したように、特別信用保証が提供された1998〜2001年を含む期間においても、パフォーマンスの低い中小企業が金融機関から高い金利を求められ、デフォルトするという「自然な淘汰」のプロセスは機能している。
以上の結果は、特別信用保証のネガティブな効果ばかりに焦点を当ててきた従来の通説的な理解に修正を迫るものといえる。もちろん、信用リスクが高い企業では利益率の改善効果が観察できず、借り手側のモラルハザードが大きく影響した可能性がある、特別信用保証付き貸し出しの金利には低下余地が残っており、中小企業のメリットをもっと大きくできた可能性がある、財政コストについては担保を求めていればより少なくて済んだはず、といった問題点、改善点を挙げることができる。
折りしも、部分保証の導入、リスクに応じた保証料率の設定といった信用保証制度の改革が進められている。中小企業における資金調達状況が当時に比して大きく改善したいまこそ、特別保証の実施によって明らかになった信用保証制度の長所・短所を踏まえた施策立案が求められる。

けいおん!!19話 文化祭、クラスの出し物でロミオとジュリエットの劇をする唯達。本番、先輩達(澪とりっちゃん)の意外になかなかな芝居っぷりに客席は引き込まれ感動する、その中のあずにゃんも「へ〜」と感心し見入る。終幕、あずにゃんの心内「すごい・・澪先輩も律先輩もまるで本物のロミオとジュリエットみたい。すごく練習したんだろうな、そりゃ音楽室に来る暇ないよ、でも、やっぱ軽音部のこと忘れてそぉ〜〜・・・くすん・くすん・くすん・・・」会場拍手喝さいの中、滝の涙を流すあずにゃん、それを見た純ちゃん「そんなに、感動したの??」と、良く出来た劇なのはわかるけどもなちょっと引き気味の純ちゃん。
けいおん!!19話 文化祭ライブの準備のため学校にお泊りの軽音部。ういちゃんのお弁当をかこみ団欒してる中、和ちゃんが宿泊届けを持ってきてくれる。他にも徹夜組は多いのかと聞かれて和ちゃん「ええ、二日目だけど結構いるわね」 あずにゃん「どうしてみんなそんなにぎりぎりまでやるんでしょうね?」 和ちゃん「わざとやっている所もあるのよ、だって徹夜の準備って楽しいし」 律「なんだぁ!その和らしからぬ発言」 和ちゃん「まっ、私は帰るけどね」 そこにあずにゃんと帰ろうとしたお泊り無しのジャズ研の純ちゃんは「ずるいですー」と羨ましがる。
ワークバランス。さすがのどかちゃん。