ダブル・クラッシュ―世界金融危機と連鎖不況の構造
ダブル・クラッシュ―世界金融危機と連鎖不況の構造 渡部和孝 日本経済新聞出版社(2009/9/19)
目次
まえがき
第1章 ダブル・クラッシュ 火を噴いたサブプライムローン問題
1 ファースト・クラッシュ2007―不良資産の状況と損失処理
2 不吉な予兆―住宅バブルとその崩壊
3 マクロ経済の現状
4 ビック・クラッシュ2008―火だるまとなった米国の金融機関
貸し手金融機関 ニュー・センチュリー・フィナンシャル インディマック銀行 ワシントン・ミューチュアル貯蓄銀行 ワコビア 政府支援機関 投資銀行 保険会社
5 流動性の問題
6 証券化の問題
7 格付けの問題
8 不適切な会計処理第2章 ルックバック1997
1 不良債権とその処理の状況
2 地価バブルとその崩壊
3 銀行の不動産融資拡大
4 失われた10年
5 貸し渋り・貸し剥がし
6 不倒神話の崩壊―金融機関の破綻
住宅金融専門会社(住専) 北海道拓殖銀行 日本長期信用銀行、日本債権信用銀行 地方銀行、第二地方銀行 信用金庫、信用組合 証券会社の破綻
7 流動性危機―ジャパン・プレミアム
8 不適切な会計処理
「追い貸し」 「飛ばし」第3章 秘かに進行する金融危機 発生メカニズムの解明
1 規制緩和と金融機関の構造転換
S&L危機 日本の金融自由化と金融危機 規制環境とサブプライム危機
2 銀行にとっての不動産担保融資リスク
不動産価格と不動産担保融資の関係 商業用不動産の例 サブプライムローンの例
3 リコースローンとノンリコースローン
4 不動産価格上昇期待と不動産担保融資
5 金融政策と不動産価格
6 DCF法と不動産価格
7 不動産担保融資のリスク管理の現状と課題第4章 銀行の自己資本と金融危機との関係
1 自己資本と銀行の経営の安定性
バランスシートによる安定性の測定 不良資産の償却 オフバランスシート活動の失敗 銀行の経営の安定性と自己資本規制
2 自己資本規制
BIS規制とバーゼル・フレームワーク バーゼルⅠの問題点 バーゼルⅠとクレジットクランチ リスク加重資産の効果的な引き下げ 「追い貸し」 銀行によるアクションの引き金 サブプライムローン オフバランス取引
3 レギュラトリー・アービトラージ第5章 金融監督行政と金融危機
1 不動産総量規制
行動ファイナンスによるバブル発生の説明 バブル発生防止策としての不動産総量規制 総量規制実施のタイミングの遅れ
2 金融危機回避策としてのバーゼルⅡ
バーゼルⅡと住宅担保融資 バーゼルⅡとプロシクリカリティー
3 厳格な金融監督と金融危機発生の防止
なぜ厳格な検査・監督が必要なのか 厳格な金融監督と金融危機の助長 公的資金注入と厳格な金融監督 日本の公的資金注入① 早期是正措置 日本の公的資金注入② 米国の公的資金注入
4 会計的な自己資本増強策
土地の再評価 繰延税金資産
5 金融危機対応実施のタイミングの重要性
きわめて重要な政策実施タイミング 先送り行政第6章 金融危機と実体経済 連鎖する事象
1 貸出供給低下と借入需要低迷の違い
クレジットクランチの発生 クレジットクランチと景気悪化 「技術水準」の低下と失われた10年 追い貸しと非効率な資本分配―ミニ「ダブル・クラッシュ」化の恐れ
2 地域経済と銀行
リレーションシップバンキングの導入 地域金融機関の融資行動 なぜうまく機能しないのか
3 公的信用保証の功罪第7章 世界は危機をどう脱するのか
担保の本来の意義とハイリスク不動産担保融資における担保との違い 不動産担保融資の理想像 危機予防策 グローバル危機? 金融規制強化の妥当性 銀行自身によるリスク管理の重要性 金融危機を繰り返さないために参考文献
なお、制度的には信用保証協会も保証申込の際に審査することとされているが、保証協会の人員不足などもあり、審査は形式的であるといわれている。つまり、信用保証協会の保証付きの債権に対しては銀行も信用保証協会自身も厳格な審査を実施しておらず、安易に納税者負担を強いているともいえる。
とある科学の超電磁砲22話 春上さんが入院してる病院に鯛焼きを持ってお見舞いにいく初春「はいっ!お見舞いです」 春上さん「わぁ〜!」 初春「第八学区にある老舗の鯛焼き屋さんなんですよ」 春上さん「そんなに遠くから」 初春「食べれば分かります、これ学園都市一の鯛焼きですから。あっ、全部粒餡ですよ、それ以外は邪道です」 春上さん「はっ、まだ温かいの〜」
当時の流布した言葉を用い、ツンとして見せて、丁寧?に説明する、世に言うツンデレ理論を用いた本です。あざとい!
日米の金融危機の出来事と対応、善処を、知ったかで語るぶんには本書1冊で十分です。それ以外は邪道です!