無人機とロボット兵器

無人機とロボット兵器 兵頭二十八  並木書房(2009/12/22)
目次

序章 ロボット軍時代の国際法はどうなる?

第1章 海洋戦闘のロボット化
武装無人ヘリの必要性と有効性  初期の無人ヘリ「DASH」の目的と開発経緯  「DASH」運用の実際と、それが教えてくれたこと  次に無人化される海上任務は何か?  無人救難機の可能性  ニュージーランド企業すら健闘できるUAVビジネス  無人機の普及で生じる洋上哨戒機の基地不足  復活近い「航空用ディーゼル・エンジン」の歴史を振り返る  ドイツが先鞭をつけた航空用ディーゼル・エンジンの実用化  諸外国のディーゼル・エンジン開発の試み  クリーンな船用ディーゼル・エンジンも活躍する  掃海ロボットと機雷敷設ロボット  無人武装水上艇  対艦弾道ミサイルによる対支反撃オプション

第2章 空対地作戦のロボット
B-17を改造した無人特攻機「BQ-7」  B-2やF-22の後継機は、プラスチック製の無人機か?  どの国も真似できない巨鳥「グローバルホーク」  シナ軍はすでに戦術偵察UAVを持っている  弾道弾技術並みに輸出が規制されそうな万能無人機「プレデター」  対テロ作戦に実績を上げる「プレデター」  進化、高性能化を続ける「プレデター」  継続監視なら無人飛行船が得意だ  高性能UAVは友好国にも輸出が許されぬ場合があり得る  「前路偵察」に特化したUAVがアフガンでは求められている  パキスタン軍すら国産UAVで戦うというのに・・・  無人輸送機や「ロボット・グライダー」も可能である  「ハドレー循環」とF-22級最新鋭機の無用性  SF作家レムが着想したUAVの「スウォーム」戦術  “無人機のスウォーム”の可能性  マイクロUAVの将来的な脅威

第3章 地上戦闘はどう変わるか?
迫撃砲の砲側員がまずロボット化されるだろう  陸自GPSにどこまで頼れるかを早急に決める必要がある  車両の火力自衛システム  地上偵察ロボット  自立式の輸送業務ロボット  補給・兵站業務のロボット化  NBC災害派遣無人機  有人では危険が伴う地雷原啓開作業  インド陸軍が無人戦車に挑む  車載ディーゼル・エンジンはエコ軍備競争を制する  軍用車両へのディーゼル・エンジンの応用  乗用車用小型ディーゼル無人兵器にも革命を起こす  ロボットは騒音にも悪臭にも平気である  戦車用エンジンと防御レイアウトの未来図  戦車にとって新たな脅威とは?  燃料電池とミニ・ディーゼルはどちらがロボット向きか?

あとがき

米陸軍では、米空軍へのあてつけなのか、こうした武装無人機を、若い兵隊(2等兵を含む)に操縦させている。M-1戦車の強力無比な120ミリ砲を兵隊や下士官が発射することだってあるのだから、別に将校でなくたってかまわないじゃないか、との理屈らしい。

イスラエルは2009年1月にガザ地区に攻勢をかけたとき、狭い空域に12機以上のUAVを同時投入した。そこには無人機とは別に、味方の有人のヘリや偵察機も在空した。
アフガニスタンで「リーパー(=プレデターB)」を運用中の英軍は、“将来は一戦場に常に50機の「リーパー」が飛んでいるような状態が普通になる”と予測を立てている。そして、民間機と、中〜低高度の「リーパー」の訓練機の厄介な混在をどう整理するか、いまから研究するという。

イスラエル軍は2006年の第2次レバノン戦争で、無数の地下トンネルと、精密誘導ロケット兵器とを組み合せたヒズボラからのゲリラ反撃に逢い、しばしば苦戦させられた。ロシア製の最新の特殊弾頭によって、自慢の重防護戦車「メルカーヴァー」の上面装甲も、ときに貫通されたという。ヒズボラはまた、履帯で踏まなくとも戦車が近くを通過しただけで爆発する対戦車地雷に「自己鍛造弾」という高度な装甲貫徹テクノロジーをくみ合せてきたともいう。
「非対称戦争」という言葉では、こうしたハイテク武装ゲリラの脅威の新奇性をうまく伝えられない。そこでイスラエル軍人の中には、これえお「ハイブリット戦争」などと呼ぶ者もある。

やがてロシアやシナの兵器メーカーが、それらのコピー品を世界中に売り始めるようになるのは時間の問題だと覚悟せなばならない。すなわち、2006年からのイスラエル兵の苦労は、いずれは世界のたいがいの正規軍の苦労として拡散するであろう。

旧日本軍は、フィリピン諸島で、少なく見積もっても51万8000人が戦没している。戦前のフィリピンは豊かな農業国ではなく(品種改良による「緑の革命」は戦後の話)、したがって住民も今よりもはるかに少なかった。米軍の猛攻でマニラなど大都市から追い出された日本軍は、たちまち食料に窮してしまったのだ。
あまりに都市部の物質環境が良好至便であったので、司令官と幕僚たちは、安楽と宴会にうつつをぬかし、最悪事態に備えることを忘れ、都市を米軍に奪回された場合に、爾後の補給をどうするかについては、何の対策も講じてなかった。
そのため、米軍との直接交戦で殺されなかった日本兵は、糧食調達の必要から各所で住民を敵に回す他になかった。
生活を脅かされた住民はすすんでゲリラ部隊を組織し、米国から支給された火器・弾薬と無線機を駆使して、補給が断たれた日本兵を村落からジャングルの奥深くへと遂払った。
熱帯のジャングルには、大勢の人間を養えるような食物は存在せず、日本兵は、そこで為す術ばく餓死させられたのだった。
アフガニスタンの面積は、日本軍が数十万人を投入してもどうにもできなかったフィリピン諸島の2倍強もある。その隅々までが、ゲリラの跳梁可能地だ。
このような土地で、外国軍が現地警察の代役を務めねばばらず、しかるにその兵站のインフラがほとんど無く、すべて軍隊が自前で持ち込む物質と輸送システムとを駆使していかなければならないのだとしてら、その長大な陸上兵站線が、ことごとくゲリラのIED戦術の狙いどころとなってしまうのは、いとも自然なことであろう。
敗戦後の日本の行政に関して進駐米軍は、内務省を解体した一方で、警察の末端組織は、特高以外をそっくり残した。日本の警察は江戸時代以来の伝統で超軽武装(事実上の丸腰)であった。またその精神面でも、軍隊に実力で対抗せねばという考えをもったことがない。これがマッカーサーGHQには、甚だ幸いした。日本占領軍は、日本の警察の代役を務める必要など、まるでなかったのである。
アフガニスタンではそうではない。カルザイ政権の警察官が現勢で8万人いるというが、公務員としての国家公共への忠誠心は疑問であり、場合によってはそっくり反政府ゲリラとなってもおかしくない。事実としてほとんど中央の法令を地方に執行できておらず、定員の上でも至急に40万人まで増やす必要があるというのもうなずける。
アフガニスタンでは、米軍を盟主とする外国軍が、現地警察の代役を務めねばならないのだ。しかるに2009年11月の時点で米軍とその同盟軍は、タッタの7万人弱。マクリスタル司令官がオバマ大統領に、現有兵力程度では少なすぎてとてもダメだと直訴したのも、あたりまえではなかろうか。
山がちなアフガニスタンでは、道路は十分に整備されておらず、見回るべき地域は広大なので、歩兵が装甲車に乗っているだけでは、とても警察官の役割を果たすことなどできない。タマがどこから飛んでくるのかわからないという情況のなかで、アフガニスタンの米兵たちは、途方もない重量を身に纏って山道を歩き回らねばならないのだ。
近来、ゲリラの伏撃から身を守るアーマー・ヴェスト(防弾着)に加えて、各種電子機器を間違いなく作動させるための予備バッテリー・パックなどの負担重量が大きくなりすぎ、米兵たちは、股関節を磨り減らすといった、かつてなかった傷病に悩まされ出した。骨の疲労は、訓練で克服できる問題ではない。兵隊は、山小屋へ荷運びする強力とは違って、マイペースで歩いたり休んだりすることはできないのだ。

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