ロシア人と日本観光案内

お目ものーと
ロシア人と日本観光案内 さとう好明(著),ユーラシア研究所ブックレット編集委員会(編集) 東洋書店 (2008/10)

女性がみだりに男性と握手する習慣はロシアにはない。

日本ではロシアと違って両替所が少ない。

せっかくいい商品でも取説が英語や日本語だけしかなという場合も多い。カメラならメニューМенюはロシア語で出てくるものも増えてきた。

日本で携帯電話だけを購入すりことができるかと、特に若いロシア女性に聞かれる。デザインが素晴らしいからだという。しかし、残念ながら、購入できない。

パスポートがないとデパートなどでせっかく1万円以上の買い物をしても免税で戻ってくるはずの消費税5%が戻ってこないよと言っておく必要がある。

2008年3月1日施行の「犯罪収益移転防止法」に基づき200万円相当額を超える外貨両替取引については本人確認の書類の提示が必要になった。こんなのはロシア人観光客には関係ないと思っていたら、400万円の高級時計を奥さんにプレゼントしたいが、ユーロ現金での支払いを店と交渉してくれと言う客がいた。むろん店では現金は円しか受付ない。カードにすればよいのにと言うと、アメリカのサブプライムローンの影響でヨーロッパの銀行がロシアの銀行に貸金回収に乗り出してきており(それまでロシアの銀行はヨーロッパの銀行から借りた金でいろいろなローンを市民に提供してきたわけだ)、今ロシアでは近々銀行の取り付け騒ぎがありそうである。銀行は簡単に預金を凍結する可能性があるので(そういえば以前勤めていた会社のウラジオ支店の取引先の銀行が預金凍結をしたのは1998年のことだった)、今や銀行に預金せず現金のユーロで持っている人が多いという。カード払いの方が10%得だが、それでも背に腹は代えられないということらしい。

Q)日本に乞食はいるのか?
乞食はほとんどいないが、ホームレスは2万人前後いる。東京には3000人ほど(河川敷での生活者は含まない)いる。日本のホームレスは基本的に攻撃的ではなく無害であり、報道にもあるように暴力の被害者であることもある。ロシアのホームレスは、乞食と違い、アル中が多く、人間的規範を捨てた人と理解されるのが普通であり、非常に危険だと考えるロシア人は多い。

ロシアと違うのは「日本では3月末に学年が終了し都道府県の中で教師の入れ替えが行われる」ということである。

日本人でもミネラルウォーター(ノンガス)を飲む人が増えている。ただガス入りミネラルウォーターは高い銘柄(ぺリエ)などを除き、あまり売れないので売っていないと注意した方がよい。ロシアの男性はガス入りを、女性はノンガスを飲む人が多いようだ。

都内では千代田区など多くの場所で戸外は禁煙である。そのため前もって注意しておくほうがよい。

Q)日本人の家庭ではロボットが家事をするのか?
まだそのレベルに達していないというと非常にがっかりしたような顔をする。

Q)目的地までの距離は?
距離を聞くことによって目的地のまでの時間がおおよそ分かる。女性はトイレを我慢する時間などは相手が男だと聞きづらいので、距離で聞いてくることが多い。

Q)街でよく見かける白いマスクをしている人たちは?
だいたいスギ花粉といっても、スギはロシアにはない。それでロシアに多い白樺のアレルギーみたいなものだと説明するとよい。