「新自由主義」「市場原理主義」 世界的な「鬼畜米英」みたいなもん

日本経済新聞 8月14日の記事:経済教室 小宮隆太郎

私にとってもう一つの意味不明の、おまじないのような言葉は、「市場原理主義」である。この言葉を最初に使ったのはジョージ・ソロス氏らしい。ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授も、ロシア・東欧の市場経済への「移行」政策に関してIMFを批判したときに「自由市場原理主義」という言葉を使った。両者のいう「市場原理主義」とは、要するにレッセ・フェールのことらしいが、レッセ・フェ−ルが望ましくないことは、「近代」経済学者の圧倒的多数が百も承知のことである。
 これらの批判のために、価格機構と経済政策に関する基本的命題を変更・修正する必要があるとは思われない。例えばスティグリッツ教授のノーベル賞受賞理由である取引当事者間の「情報の非対称性」が悪影響を及ぼす場合、それによって生じる市場の「ゆがみ」に対してどんな対策をとるか検討すればよいだろう。

狂乱家族日記より。凶華「魔女っ子には、のりがよくて意味不明な呪文がつきものなのだ」