赤を見る

赤を見る―感覚の進化と意識の存在理由 ニコラス ハンフリー (著) 柴田 裕之 (翻訳) 紀伊國屋書店 (2006/11)
本書は題名と副題通りな本で講演を再現したものだ。私にとってはあまり平易ではないが的確そうな例え話が盛り込んであり私でもそれなりにしんどいながらも読めた。専門的な厳密さを追うのは辛く道はそれしかないようによく思うのが発想の転換と言うほどでないとしても図る事でオオーという何か入った感がでる本にめぐり合うと面白い。そしてまたそれを追うことにコツコツやらねばならないのではあるけども。
「感覚の役割は、主体と外の世界との相互作用を探知すること、そこに存在して直接関与しているという、各自が持っている感触を生み出し、今この瞬間の経験に、今、ここで、自分が、という感触を与えることだ。」で「感覚を「おまけ」とする私のモデルに従うと感覚はだれからも愛されない無用のものになるなどと心配する必要がないことは、すでに明らかになった。」なるほど、これだけでも疎外感はなくなるよね。
この本は作りがちょっとおしゃれなので、好きかも。でも表紙ペラペラな感じでコンパクトでみんな同じ規格なのが管理しやすいのだけども。発見もあるからな、う〜む。