メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱 ヨアン グリロ(著)、山本昭代(翻訳) 現代企画室 (2014/3/7)


目次-------------------------------------------
第1章 ゴースト―イントロダクション


PARTⅠ 歴史


第2章 ケシ―麻薬生産の黎明期

第3章 ヒッピー―第1次麻薬ブーム

第4章 カルテル―メキシコ麻薬組織の形成

第5章 麻薬王たち―三大カルテルの時代

第6章 政権移行―高まる戦争の足音

第7章 戦国時代―カルデロンの「麻薬戦争」


PARTⅡ 内臓


第8章 運び屋―麻薬密輸とマネー・ロンダリング

第9章 殺し屋―殺人という仕事

第10章 文化―マフィアの音楽・映画

第11章 信仰―ギャングの宗教

第12章 犯罪的蜂起―体制に挑む暴力


PARTⅢ 運命


第13章 捜査―スパイと裏切り

第14章 拡大―国際化する組織犯罪

第15章 多様化―犯罪の多角化

第16章 平和―麻薬戦争終結への道


謝辞

参照文献

訳者あとがき

                                                                                    • -

マフィアのボスたちはマネーロンダリングの手段として映画に出資したり、自分の偉業を映画化させようとしたりする。マフィアのボス、「バービー」ことエドル・バルデスの供述によれば、自伝映画を作らせるために20万ドルをプロデューサーにとっては、そんな金を気前よく出してくれる人は誰にとってもありがたいことだろう。

 貧しい移民は誘拐のターゲットにはなりえないように思えるかもしれない。もちろん彼ら自身は金を持っていない。しかし貧しくても多少の貯金のある親戚くらいはいる。セタスはたいてい移民1人当たり2千ドルを取り立てるるのだ。これを1万倍すれば、2千万ドルになる。大量誘拐が起こるわけである。
 この状況については、勇敢なエルサルバドル人ジャーナリスト、オスカル・マルティネスが詳しく書いている。彼は同じ国の出身者らと一緒にメキシコを縦断する旅をした。一緒に列車に飛び乗り、宿泊所で眠り、そして彼らの恐ろしい体験を聞いた。そうして2007年半ばごろから起こり始めた大量誘拐事件について調べた。深刻な事件が起こっているにもかかわらず、何年もその情報は日の目を見なかった。オスカルによれば、それは2つの理由があるという。地元のジャーナリストはそれを記事にすると殺すと脅されていること、さらに、貧乏人の中でもとくに貧乏な人々に何が起こっているかなど、誰も気に留めなかったから、である。
 2009年になって、やっとこの問題が注目を集めてようになった。メキシコ政府の人権擁護委員会が誘拐の被害にあった移民の証言基づいた報告書を出したのである。驚くべきことに半年の間に1万人が誘拐被害にあったというのだ。信じられない規模ある。セタスのガンマンは列車やバスから、あるいは山道を徒歩で行く移民のグループをまとめて誘拐する。賄賂をもらった地元警察など大規模な汚職のネットワークがこの仕事を手伝っている。ヒラの警察官らはいとも簡単に武装集団のセタスに操られてしまう。

悪い人たちはどこの世界も変わらないな、日本のことが書いてあんのかと思った。メキシコはやんちゃしすぎだけども。
BLACK LAGOON24話 バラライカ「ロック、鷲峰の娘子に伝えろ、ホテルモスクワは現刻をもって一方的に戦闘を停止する。お前が根絶を願う鷲峰組はすでにバラバラになって地下に潜った。お前が考える以上に柔軟な思考をする小娘だぞ。ブルガジビリが得た捕虜情報では組員どもはこう信じてるという『やがて姫君が自分たちをいざなってロアナプラに旗をたてる』のだと、よりによってあのロアナプラ、にだぞ・・・」