寺社勢力の中世―無縁・有縁・移民

寺社勢力の中世―無縁・有縁・移民 伊藤正敏 筑摩書房(2008/08)
目次--------------------------------------------------------------------------------
はじめに

序章 無縁所―駆込寺と難民
もうひとつの『義経記』     山とは比叡山のこと     無縁所は世俗そのもの     migrant移民の歌     

第1章 叡山門前としての京
1 中世京都案内
中世の京とはどこか     幕府の検断権が及ぶのは京都の一部だけ     町小路―京の山の手     鴨河原―京の下町     鴨河原・河東の商人・職人     その他ビューポイント

2 祇園社御霊信仰
京都流入民・疫病・神罰     大田楽と神輿動座―中世の開幕     天台の末社たるのみにあらず、国家の鎮守なり

3 悪僧と神人
王朝絵巻の闇―受領は倒れるところに土をつかむ(今昔物語)     悪僧と神人     保元新制

4 中世の開幕―通説への挑戦
1070年2月20日     山徒の居住地     駐留軍を追い出す     祇園会と喧嘩は京の華

5 無縁所の理念
寺社を軍事動員―合戦史の画期     駆込寺としての叡山     半年間の叡山籠城戦     叡山包囲網     窮鳥―玄慧法印の雄弁     歴史史料小論     信長め!


第2章 境内都市の時代
1 最先端技術
鎌倉・安土・江戸を作った人々     最新技術者たち

2 都市の発見
東大寺境内の景観     駆込んだ人々     境内都市の発見     地上のタイムカプセル―高野山金剛峯寺     地上のタイムカプセル―根来寺     僧の家―不邪淫戒違犯?

3 武士としての寺僧
果たし状―これを知らずして武士を語るなかれ     甲冑・武勇・メンツ

4 領主としての寺社
国家警察権代行が無縁所の存立を保障     寺社主従制      武士を滅ぼした寺社―軍役を嫌う荘民     京都御馬揃―戦国大名根来寺

5 巨大な経済支配者
軍需産業     経済シェア     金融・貨幣経済・市場     明の国書は天台座主宛―叡山と貿易

6 境内都市と法
[悪徳]弁護士の顔―山僧寄沙汰     仏陀法・神明法

7 呪術への不感症
額打論     葬式仏教と墓所の破壊     神輿破壊と神輿争奪ゲーム     寺社に対する暴力

8 政治記事あって経済記事なし―国家だけ、全体社会を描かない歴史書
前関白の殺人     武士=ヤクザ論―財産めあてに無実の人を逮捕     政界記事だけ・・・財界記事のない歴史


第3章 無縁所とは何か
1 無縁所の実権者―平等と下克上の世界
たかが庶民     学侶・行人・聖の実数    行人差別の観念     聖の激増     実権者     下克上     堂衆合戦―源平合戦承久の乱     利によって結ぶ学侶・行人・聖     行人の武力を頼む世俗権力

2 あらゆる権威の否定
一味の権威「国法に反しても」     日吉神輿が内裏を占拠      主従制なし

3 ダイシ信仰―広まらなかった天台宗真言宗
大師明神の権威     鎌倉殿と大師明神

4 民主主義と大衆社会
寺院の集会―民主制の議会     現代型大衆社会

5 自由の諸相
無縁の人     いつでもいる無縁の人     所属寺社からの自由     駆込み後の自由

6 平和領域
吾輩は無縁の人である     ジャングルの平和     市場の平和

7 無縁所とは何か
無縁所とは何か     無縁所の条件     無縁所の特質     無縁所の4類型     どれが無縁所か―網野善彦の無縁所論     民衆史


第4章 無縁VS.有縁
1 有縁と無縁は双生児
武士と寺僧は双生児     自由出家・自由寄進     地頭代官は山僧・金貸

2 寺社勢力への対策
御用寺社だと思ってたのに     中国渡来の御用寺院     毒を以って毒を制す     鎌倉幕府南都北嶺交渉史断章

3 室町幕府京都市政権奪取
祇園社に侍所の高札が立つ      京都経済支配者の交換?     叡山の幕府ジャック

4 境内都市から自治都市へ
姿を現した実権者―商工民の自治組織     自治組織の由来     四ケ院と町組―有縁か無縁か

5 都市の無縁性と有縁性
都市か農村か     自治都市の有縁性―「家」「町」「村」は15世紀に成立した     自治都市の無縁性     家格制―身分の固定     境内都市との二股

6 衰退する無縁所
宗教的権威の低下     シャッフルの末に


終章 中世の終わり
比叡山焼討ちと高野聖の虐殺     刀狩―無縁所の武装解除     無縁所とその時代     いつだって無縁世界


おわりに

                                                                                                                                                              • -

もし境内都市に行人・聖・神人がおらず学侶だけだったら、これらは多少粗暴なだけで、御用寺社の枠をはみ出さなかっただろう。政権に憎悪されたのは行人以下だ。堂衆合戦に際し、学侶方の援軍として官軍が投入されたのはそのためだ。中世寺社勢力の独立性は、行人・聖の存在に支えられたものである。彼らがいなかったら、境内都市は無縁所にはならなかっただろう。大きくいえば行人・聖の歴史は民衆史であり、学侶史は支配者の歴史である。なお古代寺院は完全な御用寺院であり、近世寺院もまた御用寺院にもどる。

電撃文庫とある魔術の禁書目録」CMに『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の高坂桐乃が「おっじゃましま〜す」と割り込んで大体の宣伝内容をしゃべってしまう、ご立腹なインデックスさん「わっ、わたしの役目をとっちゃダメなんだよ(ただでさえ1期はヒロインなのに出番なかったし、しかもよかれと思って修道服脱いだら「誰?」と誹謗中傷されてるのに)!!」
ええい、そんなのはいい、佐天さん、佐天を映せ!!野球帽をかぶった。
とある魔術の禁書目録」解説本
遠くからみて属が一緒なのに違いが分かりにくいものがある、創価学会日蓮正宗顕正会とか、極左、極右各勢力など、えっ?違うの??な、通にしかわからないよ。スノビズムな世界だ。
これを読むとつまらん宗教の話が面白くなる。かも、よ?