ロシア極東ビジネス事情

ロシア極東ビジネス事情 安木新一郎 東洋書店(2009/06)
お目ものーと

同社による住民への利益還元のやり方にある。温水プールつきの豪華な保養所を建て住民に無料開放したり、ゴーカートやスポーツ団体・施設に資金援助したり、村に住むもしくは村出身で子どもをもつ家族には従業員でなくても特別ボーナスを出すといった施策をつづけている。
こうした住民への利益還元のためか、経営状態が良好なわりに内部留保は少ないようで、資金繰りに苦しんでいる様子であった。利益が出てしまうと納税額が増える。ソ連の企業人、とくに会計士は、利益を少なくして納税額を極力抑えるのが仕事とされていた。利益は従業員や地域住民に還元しても国にはわたさないという傾向が残存していると考えられる。
利益は地元住民に還元する、もしくは地元での新規投資に向けるという強い意志をもったソ連時代からの幹部たちによる経営により、多くの若者が村に引きつけられているようにみえた。

したがって、プーチン首相や反独占庁による石炭企業に対する批判は、石炭輸出の抑制によるインフレ要因の除去、国内原料炭の確保、および石炭を買い入れざるをえない製鉄企業による価格低下を求めるロビー活動という3点から説明できると考えられるのである。

ウラジオストクの観光業者は日本人向けハンカ湖畔ツアーを組んでおり、『地球の歩き方』にもハンカ湖についての記載がある。夏を中心に極東各地からロシア人旅行客が保養に訪れるハンカ湖に外国人も引き寄せたいとのことであった。
多くの観光客が訪れるとはいえ、実際に泳いでみたが、湖水はヘドロのにおいが鼻につき、かなり汚染されているようだった。「大陸NIS」所有の湖畔にも生活廃水がたれ流されており、沿海地方の全地域に共通していえるが、下水処理施設の建設は急務であろう。

涼宮ハルヒの憂鬱op 冒険でしょでしょ?より 「冒険でしょでしょ!? 嘘がホントに変わる世界で 夢があるから強くなるのよ 誰のためじゃない♪」