アフリカ 動きだす9億人市場

お目ものーと
アフリカ 動きだす9億人市場 ヴィジャイ・マハジャン(著)松本裕(翻訳) 英治出版 (2009/7/14)

エジプトの携帯電話会社モービルニルはメッカ巡礼の間も「連絡は絶やさずに」と訴え、巡礼の期間中はローミング料金を引き下げるサービスを提供している。他の携帯電話会社は、「ラマダン・カリーム(断食月の寛容)」と題して無料通話時間を提供する(チュニジア・テレコムがラマダン中に無料通話時間を提供しようとしたが、通話の殺到でネットワークが過負荷になってしまい、このキャンペーンを中止せざるを得なかった)。南アフリカのリーフ・テクノロジーズが開発したのは、スポーツの試合結果を伝えるだけでなく、キリスト教徒には「日々の祈り」も配信するサービスだ。エジプト、モロッコ、ナイジェリア北部など、イスラム人口の多い国では、ラマダンの期間中、日没後に食事をとるため帰宅する人々にコカ・コーラが軽食を配布している(チュニジアでもこの試みは行われたが、国民を養うのは自分たちの責任だと当局が考えたため、失敗した。そこで、コカ・コーラは代わりに子供の教育を支援した。つまり、同じイスラム国でも、一つの国でうまくいった戦略が別の国でもうまくいくとは限らない、ということだ)。